この理不尽なイギリスの行為は、隣国日本に衝撃を与えました。当時、長崎でこのアヘン戦争について知ることになった若き吉田松陰は驚愕しました。平戸滞在中に松陰が読んだとされる書物に『阿芙蓉彙聞』(あふよういぶん)7冊があり、その中に「阿片始末」があります。その一文字一文字が松陰の心に刺さり、それが後の彼の言動の基礎になっています。
日本は、直接的ではありませんが、アヘン戦争という痲薬(まやく)に関わる事件に大きな影響を受け、それがやがて明治維新につながります。歴史はあざなえる縄の如く、絡み合い、離れ、意外なところで関係を持ちながら続いていくから面白いのでしょう。(『大麻ヒステリー 思考停止になる日本人』武田邦彦)
一つ、二つ冷や水を注しておくと、坂本龍馬という男は長崎・グラバー商会の“営業マン”的な存在であったようだ。薩摩藩に武器弾薬を買わせ、それを長州に転売することができれば、彼にとってもメリットがある。グラバー商会とは、清国でアヘン戦争を推進して中国侵略を展開した中心勢力ジャーディン・マセソン社の長崎(日本)代理店である。この存在が「薩長同盟」の背景に厳然とある。朝敵となった長州は武器が欲しい、薩摩は米が欲しい……この相互メリットをグラバー商会が繋いだ。(『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』原田伊織)
日本近代史/明治維新/吉田松陰
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