なぜ過食するのか。なぜ拒食するのか。症状に関する書籍は数多く出版されているが、それらはいずれも「いかに治すか」という共通テーマのもとにつくられている。
 今回、べてるしあわせ研究所では、経験者10名(男性2名、女性8名)による「摂食障害研究班」を立ち上げ議論を重ねた。その結果浮かび上がってきたのが、「どうしたら摂食障害になれるか」という観点であった。
 いままで、「いかに治すか」に腐心しながらも結果として食べ吐きに走り、罪悪感に苛まれてきた経験者たちにとって、「どうしたらなれるか」という観点は大いに受け、議論も盛り上がった。
(『べてるの家の「当事者研究」浦河べてるの家
 市場経済というのは、「お金」という共通の尺度でモノとモノとを交換する仕組みのことだ。資本主義は、「もっと豊かになりたい」という人間の欲望によってお金を自己増殖させるシステムである。このふたつが合体した経済世界で私たちがお金を獲得する方法は、つまるところたったひとつしかない。

【資本を市場に投資し、リスクを取ってリターンを得る。】

 これだけだ。

(『貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する橘玲
 この男は常に大衆を味方に持つであろう。この男は宇宙に確信を持っているように自分に確信を持っているからだ。それが大衆の気に入ることなのである。大衆は断言を求めるので、証拠は求めない。証拠は大衆を動揺させ、当惑させる。大衆は単純であり、単純なことしか理解しない。大衆に対しては、いかにしてとか、どんな具合にとか言ってはならない。ただ、《そうだ》、あるいは《そうではない》といわなければならない。(『エピクロスの園』アナトール・フランス:大塚幸男訳)
 言葉というものは、重要である。スローガン、イメージ、シンボル、ステレオタイプ、記憶の断片――すべてこれらのことは、自己や他者についての概念を形づくり、私たちの行動に影響を与える。そして言葉はたびたび誤解のもととなり、言葉から生まれた概念は歪められ、行動は悲惨で破壊的なものとなる。(『容赦なき戦争 太平洋戦争における人種差別』ジョン・W・ダワー:猿谷要監修、斎藤元一訳)
 皇国の弥栄(いやさか)祈り玉と散る
   心のうちぞたのしかりける
          潤二郎
(『いつまでもいつまでもお元気で 特攻隊員たちが遺した最後の言葉』知覧特攻平和会館編)

特攻隊
 89年のバブル崩壊から、10年以上に及ぶ長い平成大不況が続いています。企業の収益は悪化し、不良債権は積み上がり、財政赤字は拡大の一途を辿っています。しかしその間、個人が豊かになったことは、あまり指摘されていません。(中略)
 企業収益が悪化し、それでも従業員の賃金が下がらないということは、企業から従業員に大規模な所得移転が行われたことを意味します。企業の富が株主のものだとすれば、株主が損した分だけ、従業員が得をしたということです。
(『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ橘玲
 E(従業員)はシステムのために働く
 S(自営業者)は本人がシステムとなって働く
 B(ビジネスオーナー)はシステムを作り出し、所有し、管理する
 I(投資家)はシステムにお金を投資する
(『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント 経済的自由があなたのものになるロバート・キヨサキ:白根美保子訳)
 まるで3カ月の間、口からものを摂ることができず、どんなに喉が渇いても水さえ飲むことができない。いや、自分の唾液ですら飲めずに、むせてしまうのです。当然ながら鼻からの経管栄養です。
 訴えようとしても言葉にならず、叫ぼうとしても声にならない。手で表現しようにも体は動かない、という地獄のような苦しみでした。その間苦しい検査の連続です。一言も発せずに医師の意のまま送った2カ月は、生きるとは苦しみの連続であることを思い知らされました。
 自殺を考えたこともしばしばでした。死ぬ用意もしました。死のうと思えば、手段は色々あるものです。でも懸命に看護している妻や娘を思えば、死ぬわけにはいかない。自分の命は自分だけのものではないことを、こんなに実感したことはありません。死はひとりだけの所有物ではない。愛する者と共有し、いつも共鳴しているものであることを強く感じたのです。
(『露の身ながら 往復書簡 いのちへの対話多田富雄柳澤桂子
 そこから「サイクス=ピコ協定こそ中東問題の元凶」といった決まり文句が、一般向け解説でも、あるいは中東専門家が政治的な発言を行う時にも、しばしば見られるようになった。
 それではサイクス=ピコ協定をなくしてしまえば中東問題は解決するのか。もちろんそのようなことはない。サイクス=ピコ協定をなくしてそれ以前の状態に戻れるのか。もちろん戻れない。それ以前の状態にもし戻れたとして、そこに住む人々のどれだけが納得するのか。その多くは納得しないだろう。(『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛池内恵
 こんどは担架の反対側を持っていた地元の救助隊らしい中年の男が声をかけてきた。
「お連れさんは残念なことをした……」
「お連れ……さ……ん?」
 谷山はもつれる舌で、上から見下ろす中年の男に聞き返した。
「あんたが背負ってきた男だよ。残念ながらすでに亡くなっておったから、あの硬直の具合からすると、息を引き取って1日や2日は経っているはずじゃが、あんたは見捨てず、自分の命も顧みずに背負って下りてきたんだな?」
 谷山は言い知れぬ恐怖で全身を震わせながらやっとの思いで声を出した。
「もしかして……その人は……?」
 中年の男はうなずいて、谷山の顔を覗き込み静かな声で言った。
「なに言っとるんだ、赤いヤッケの男だよ……」
(『山の霊異記 赤いヤッケの男』安曇潤平)
 日本人は話がわかれば神のことと神聖なことについてむさぼるように耳を澄まして聞きます。私がこれまで会った国民の中で、キリスト教徒にしろ異教徒にしろ、日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありません。日本人はどんなけものでも神と思って拝んだりするようなことはしません。私の知るかぎりでは、大部分の者は昔の哲学者のように暮らしていて、古い時代のさる人びとを尊敬しています。太陽を拝む者も月を拝む者もたくさんいます。彼らは自然と道理に従って何ごとにも進んで耳を傾けます。犯罪や悪事を免れているわけではありませんが、しかし罪は道理に反するものだということを教えればその非を悟って理に従います。(『ザビエルの見た日本』ピーター・ミルワード:松本たま訳)

キリスト教
空から轟沈」のうたうを唄ふ。ありつたけの声でうたつたつもりだつたが何故か声がつまって涙が溢れ出てきた。森さんと「出ませう」といつて兵舎の外で思ふ存分泣いた。私達の涙は決して未練の涙ではなかつたのです。明日は敵艦もろともなくなられる身ながら、今夜はにつこり笑つて酔ひ戯れていらつしやる姿を拝見したとき、ああこれでこそ日本は強いのだとあまりにも嬉しく有難い涙だつたのです。(知覧高等女学校3年 前田笙子 15歳)『群青 知覧特攻基地より』知覧高女なでしこ会編

特攻隊