人は成功からは多くを学ばないものである。
 失敗のみが道を照らし、進むべき道を示してくれるのである。
(『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ:林康史監訳、藤野隆太訳)
藤井●プロフェッショナルということばだって、ギルド(職能組合)があって初めて存在し得るわけです。(『間脳幻想 人類の新時代をひらくキー・ワード藤原肇、藤井尚治)
 ともあれ、ここではっきりさせておかなければならないのは、一部の研究者、そして『正論』『諸君!』(2009年休刊)『WiLL』(2005年創刊)などの月刊誌、さらには諸週刊誌とくに『週刊新潮』と『週刊文春』が吉田証言の究明に取り組まなかったら、この人間による歴史の捏造は歴史の正史としてなお長く留まり続けただろう。その点で吉田清治が弄(ろう)した虚偽を覆(くつがえ)すのに最も貢献したのは、研究者で言えば、秦郁彦と韓国・朝鮮研究者で東京基督(キリスト)教大学の西岡力(つとむ)の二人である。(『崩壊 朝日新聞』長谷川熙)

朝日新聞
 なぜ過食するのか。なぜ拒食するのか。症状に関する書籍は数多く出版されているが、それらはいずれも「いかに治すか」という共通テーマのもとにつくられている。
 今回、べてるしあわせ研究所では、経験者10名(男性2名、女性8名)による「摂食障害研究班」を立ち上げ議論を重ねた。その結果浮かび上がってきたのが、「どうしたら摂食障害になれるか」という観点であった。
 いままで、「いかに治すか」に腐心しながらも結果として食べ吐きに走り、罪悪感に苛まれてきた経験者たちにとって、「どうしたらなれるか」という観点は大いに受け、議論も盛り上がった。
(『べてるの家の「当事者研究」浦河べてるの家
 市場経済というのは、「お金」という共通の尺度でモノとモノとを交換する仕組みのことだ。資本主義は、「もっと豊かになりたい」という人間の欲望によってお金を自己増殖させるシステムである。このふたつが合体した経済世界で私たちがお金を獲得する方法は、つまるところたったひとつしかない。

【資本を市場に投資し、リスクを取ってリターンを得る。】

 これだけだ。

(『貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する橘玲
 この男は常に大衆を味方に持つであろう。この男は宇宙に確信を持っているように自分に確信を持っているからだ。それが大衆の気に入ることなのである。大衆は断言を求めるので、証拠は求めない。証拠は大衆を動揺させ、当惑させる。大衆は単純であり、単純なことしか理解しない。大衆に対しては、いかにしてとか、どんな具合にとか言ってはならない。ただ、《そうだ》、あるいは《そうではない》といわなければならない。(『エピクロスの園』アナトール・フランス:大塚幸男訳)
 言葉というものは、重要である。スローガン、イメージ、シンボル、ステレオタイプ、記憶の断片――すべてこれらのことは、自己や他者についての概念を形づくり、私たちの行動に影響を与える。そして言葉はたびたび誤解のもととなり、言葉から生まれた概念は歪められ、行動は悲惨で破壊的なものとなる。(『容赦なき戦争 太平洋戦争における人種差別』ジョン・W・ダワー:猿谷要監修、斎藤元一訳)
 皇国の弥栄(いやさか)祈り玉と散る
   心のうちぞたのしかりける
          潤二郎
(『いつまでもいつまでもお元気で 特攻隊員たちが遺した最後の言葉』知覧特攻平和会館編)

特攻隊
 89年のバブル崩壊から、10年以上に及ぶ長い平成大不況が続いています。企業の収益は悪化し、不良債権は積み上がり、財政赤字は拡大の一途を辿っています。しかしその間、個人が豊かになったことは、あまり指摘されていません。(中略)
 企業収益が悪化し、それでも従業員の賃金が下がらないということは、企業から従業員に大規模な所得移転が行われたことを意味します。企業の富が株主のものだとすれば、株主が損した分だけ、従業員が得をしたということです。
(『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ橘玲
 E(従業員)はシステムのために働く
 S(自営業者)は本人がシステムとなって働く
 B(ビジネスオーナー)はシステムを作り出し、所有し、管理する
 I(投資家)はシステムにお金を投資する
(『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント 経済的自由があなたのものになるロバート・キヨサキ:白根美保子訳)
 まるで3カ月の間、口からものを摂ることができず、どんなに喉が渇いても水さえ飲むことができない。いや、自分の唾液ですら飲めずに、むせてしまうのです。当然ながら鼻からの経管栄養です。
 訴えようとしても言葉にならず、叫ぼうとしても声にならない。手で表現しようにも体は動かない、という地獄のような苦しみでした。その間苦しい検査の連続です。一言も発せずに医師の意のまま送った2カ月は、生きるとは苦しみの連続であることを思い知らされました。
 自殺を考えたこともしばしばでした。死ぬ用意もしました。死のうと思えば、手段は色々あるものです。でも懸命に看護している妻や娘を思えば、死ぬわけにはいかない。自分の命は自分だけのものではないことを、こんなに実感したことはありません。死はひとりだけの所有物ではない。愛する者と共有し、いつも共鳴しているものであることを強く感じたのです。
(『露の身ながら 往復書簡 いのちへの対話多田富雄柳澤桂子
 そこから「サイクス=ピコ協定こそ中東問題の元凶」といった決まり文句が、一般向け解説でも、あるいは中東専門家が政治的な発言を行う時にも、しばしば見られるようになった。
 それではサイクス=ピコ協定をなくしてしまえば中東問題は解決するのか。もちろんそのようなことはない。サイクス=ピコ協定をなくしてそれ以前の状態に戻れるのか。もちろん戻れない。それ以前の状態にもし戻れたとして、そこに住む人々のどれだけが納得するのか。その多くは納得しないだろう。(『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛池内恵
 こんどは担架の反対側を持っていた地元の救助隊らしい中年の男が声をかけてきた。
「お連れさんは残念なことをした……」
「お連れ……さ……ん?」
 谷山はもつれる舌で、上から見下ろす中年の男に聞き返した。
「あんたが背負ってきた男だよ。残念ながらすでに亡くなっておったから、あの硬直の具合からすると、息を引き取って1日や2日は経っているはずじゃが、あんたは見捨てず、自分の命も顧みずに背負って下りてきたんだな?」
 谷山は言い知れぬ恐怖で全身を震わせながらやっとの思いで声を出した。
「もしかして……その人は……?」
 中年の男はうなずいて、谷山の顔を覗き込み静かな声で言った。
「なに言っとるんだ、赤いヤッケの男だよ……」
(『山の霊異記 赤いヤッケの男』安曇潤平)
 日本人は話がわかれば神のことと神聖なことについてむさぼるように耳を澄まして聞きます。私がこれまで会った国民の中で、キリスト教徒にしろ異教徒にしろ、日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありません。日本人はどんなけものでも神と思って拝んだりするようなことはしません。私の知るかぎりでは、大部分の者は昔の哲学者のように暮らしていて、古い時代のさる人びとを尊敬しています。太陽を拝む者も月を拝む者もたくさんいます。彼らは自然と道理に従って何ごとにも進んで耳を傾けます。犯罪や悪事を免れているわけではありませんが、しかし罪は道理に反するものだということを教えればその非を悟って理に従います。(『ザビエルの見た日本』ピーター・ミルワード:松本たま訳)

キリスト教
空から轟沈」のうたうを唄ふ。ありつたけの声でうたつたつもりだつたが何故か声がつまって涙が溢れ出てきた。森さんと「出ませう」といつて兵舎の外で思ふ存分泣いた。私達の涙は決して未練の涙ではなかつたのです。明日は敵艦もろともなくなられる身ながら、今夜はにつこり笑つて酔ひ戯れていらつしやる姿を拝見したとき、ああこれでこそ日本は強いのだとあまりにも嬉しく有難い涙だつたのです。(知覧高等女学校3年 前田笙子 15歳)『群青 知覧特攻基地より』知覧高女なでしこ会編

特攻隊
 世界には恐怖政治を強い、日本人犠牲者も出したイスラム過激派や、他国を挑発し続ける北朝鮮のようなほぼ絶対的と言えるような「悪」が存在するのも確かです。これらの組織や国家もまた、自らの信念に反する「他者」、あるいは自らが構築しようとする秩序の外側にある「他者」を、自分たちへの「悪意」を持った「敵」であるとみなす論理を持っていることがうかがえます。(『ウルトラマン 「正義の哲学」』神谷和宏)
保坂●陳立夫氏はもうひとつ、重大な発言をしていました。彼から「日本と中国の戦争を起こした張本人は誰だと思う」と問われて、「日本の関東軍の軍人たちです」と私が答えると、「違う。あれはソ連が演出したのです」というんです。僕が驚いていると、陳氏は「日本陸軍のなかに共産主義者がいたでしょう?」という。「分からない」と答えると、「いや、絶対にいる。我々が見たところ、共産主義者ないしその同調者がいる」と断言するんですよ。(『あの戦争になぜ負けたのか』半藤一利、保阪正康中西輝政、戸高一成、福田和也、加藤陽子)

戦争日本近代史
(※外務省の研修では)研修語(私の場合はロシア語)の講義が月曜から土曜まで毎日3時間行われ、それ以外は英語と外務講義の授業が行われた。外務講義の内容はペン習字、英文タイプ、礼儀作法、テーブルマナー、国際法、ソ連のスパイ工作、仏教、キリスト教、戦略論、安全保障論、軍事学など多岐にわたり、講義の水準もその道の第一人者によって行われる一級のものだった。(『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編佐藤優
 ニュートンは、文句のつけようのない変人だった。計り知れない才能の持ち主ではあったものの、孤独を愛し、陰気な質(たち)で、病的なまでに怒りっぽく、始終、心ここにあらずというふうで(朝ベッドから出ようと足を床に下ろしたとたん、突然頭に湧き起こった考えに気を取られて、ぴくりともせずに何時間も坐っていつことがときどきあったと報じられている)、へんてこな事をしでかす名人だった。(『人類が知っていることすべての短い歴史ビル・ブライソン楡井浩一訳)
 だが、今にして思えば三木のアクの強さは女に好かれる体(てい)のものではなかった。彼は醜男のゆえに若い時から失恋していたのではなく、ある女にはかならず振られる素質を持っていた人なのだ。これは大雑把(おおざっぱ)な言い方だが、異常に熾烈(しれつ)な性慾や不潔な行為を平気で人前で語るごとく、彼には微妙さが欠けて、奇怪さが目立つ男なのだ。彼は青年時代パスカルを研究していたが、その著作の中でもパスカルの妖怪性というか、人間化物論を引用しつつ、彼もまたこの論を深く広く展開している件(くだ)りにはなはだ興味を覚え私の脳裡にも忘れずに残っていたものだ。私はここに及んで彼自身妖怪性を顕著(けんちょ)に持っていることに、私ははたと思い当った。(「三木清における人間の研究」今日出海)『日本文学全集59 今東光 今日出海』今東光、今日出海

三木清
 それは異様な、一種幻妙な静寂、人間がおよそまれにしか味わうことのないあの無言の悟入であった。ヴェールがあがって、ふたたびおりる。人はなにをかいま見たのか思いだすことはできないが、なにかを見たことを、二度とおなじものはあらわれないことを知っている。それはめったに、ほんとにめったにあるものではない。それは絶妙なたぐいない日没の一瞬、偉大なシンフォニーの一断片、大闘牛士の剣があやまたず突き刺されたとき、マドリードとバルセロナの巨大なリングをつつむ恐ろしい静寂。スペイン人は、それをたくみによぶ――〈真実の瞬間〉と。(『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン:村上博基訳)
 ある人にとっては二つの現象(光が電車の両端に着くという現象)が同時に起きており、別の人にとっては、それが別の時刻に起きている。これを「同時性の破れ」と呼ぶ。いかにも奇妙な話だが、光速度不変性が正しければ、そうならざるをえない。(『時空図で理解する相対性理論』和田純夫)

相対性理論
 ストレッチは筋肉の柔軟性を増し、伸びやすくします。筋肉が伸びやすくなると、その筋肉がつく関節の動ける範囲、つまり「関節の可動域」が広がります。(中略)
 関節の可動域が広がると動作に余裕ができて、体の動きがスームズに。そうなればもちろん、スポーツのパフォーマンスの向上につながる上、スポーツ時のケガも起こりにくくなるでしょう。
(『ストレッチ・メソッド 5つのコツで もっと伸びる カラダが変わる』谷本道哉、石井直方
 ホワイトハウスから解放されると、ビルは講演巡業に出て、2001年から2012年の間に1億550万ドルを集め、クリントン財団のために数億ドルを調達した。重要なことに、ビルへの資金の最大の支払い元はアメリカ国内からではなく、元大統領を喜ばせることに熱心な――そしておそらく、アメリカの権力者への接触を求めている――外国の投資家や企業、政府からのものだった。同時期に、ヒラリーは米上院で急速に地位を高め、特に安全保障と外交政策に関する分野についての影響力と権力を身に着けていった。彼女が2008年の大統領選で民主党の公認争いに出馬した時、彼女の権力が強まるだろうとの見通しは、さらに高まった。バラク・オバマが民主党の予備選で予想外に勝利したことで、彼女の上昇機運は挫折したかに見えたが、それでも以前に比べればさらに力のある地位に落ち着いた。(『クリントン・キャッシュ 外国政府と企業がクリントン夫妻を『大金持ち』にした手法と理由』ピーター・シュヴァイツァー:あえば直道監修、小濱由美子・呉亮錫訳)
 この経典は一般に「法句経」(ほっくきょう)と呼ばれておりますが、正式名は「法句」です。少しややこしい話になりますが、経(sutta)とは、仏(Buddha)が語られたことば、あるいは法(Dhamma)の話、定義であり、散文形式のものをいいます。この「法句」の原名は「ダンマパダ」です。全体は散文のない韻文、詩句のみからなるもので、「経」という語がついておりません。伝統的な仏典の分類法においても、「経」に分類されず、「偈」(げ/詩句)に分類されております。(『「ダンマパダ」をよむ ブッダの教え「今ここに」片山一良
 鄧小平こそ反日の元凶なんですよ。
 江沢民がどうのこうのと言いますけれど、南京大虐殺の記念碑をつくったのは、鄧小平です。「南京大虐殺30万」と一番最初に言ったのは、鄧小平なんです。
(『戦争を作り報道を歪める者たちの正体 事件のシナリオを見抜かねば日本は再び戦場となる!菅沼光弘
 私が無知なだけかもしれませんが、たとえば、「英国がマレーシアや香港をレイプした」「スペインが南米諸国を犯しまくった」という喩えを聞いたことがありません。いわんや「イングランドがアイルランドを手籠めにした」という表現も知りません。「ドイツがオーストリアを強姦した」わけでもなく、「新羅が高句麗や百済を強姦した」わけでもないようです。日本は朝鮮半島からの渡来人が作ったと主張してやまない韓国の歴史学者が「弥生人が縄文人をレイプした」あるいは「百済が倭を陵辱した」と言わないのも解(げ)せない話です。
 韓国人の意識の中に、歴史において、とりわけ「日韓併合」だけを強姦に喩えたい“何か”があるのではないでしょうか。
(『韓国呪術と反日但馬オサム