世界には恐怖政治を強い、日本人犠牲者も出したイスラム過激派や、他国を挑発し続ける北朝鮮のようなほぼ絶対的と言えるような「悪」が存在するのも確かです。これらの組織や国家もまた、自らの信念に反する「他者」、あるいは自らが構築しようとする秩序の外側にある「他者」を、自分たちへの「悪意」を持った「敵」であるとみなす論理を持っていることがうかがえます。(『ウルトラマン 「正義の哲学」』神谷和宏)
保坂●陳立夫氏はもうひとつ、重大な発言をしていました。彼から「日本と中国の戦争を起こした張本人は誰だと思う」と問われて、「日本の関東軍の軍人たちです」と私が答えると、「違う。あれはソ連が演出したのです」というんです。僕が驚いていると、陳氏は「日本陸軍のなかに共産主義者がいたでしょう?」という。「分からない」と答えると、「いや、絶対にいる。我々が見たところ、共産主義者ないしその同調者がいる」と断言するんですよ。(『あの戦争になぜ負けたのか』半藤一利、保阪正康中西輝政、戸高一成、福田和也、加藤陽子)

戦争日本近代史
(※外務省の研修では)研修語(私の場合はロシア語)の講義が月曜から土曜まで毎日3時間行われ、それ以外は英語と外務講義の授業が行われた。外務講義の内容はペン習字、英文タイプ、礼儀作法、テーブルマナー、国際法、ソ連のスパイ工作、仏教、キリスト教、戦略論、安全保障論、軍事学など多岐にわたり、講義の水準もその道の第一人者によって行われる一級のものだった。(『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編佐藤優
 ニュートンは、文句のつけようのない変人だった。計り知れない才能の持ち主ではあったものの、孤独を愛し、陰気な質(たち)で、病的なまでに怒りっぽく、始終、心ここにあらずというふうで(朝ベッドから出ようと足を床に下ろしたとたん、突然頭に湧き起こった考えに気を取られて、ぴくりともせずに何時間も坐っていつことがときどきあったと報じられている)、へんてこな事をしでかす名人だった。(『人類が知っていることすべての短い歴史ビル・ブライソン楡井浩一訳)
 だが、今にして思えば三木のアクの強さは女に好かれる体(てい)のものではなかった。彼は醜男のゆえに若い時から失恋していたのではなく、ある女にはかならず振られる素質を持っていた人なのだ。これは大雑把(おおざっぱ)な言い方だが、異常に熾烈(しれつ)な性慾や不潔な行為を平気で人前で語るごとく、彼には微妙さが欠けて、奇怪さが目立つ男なのだ。彼は青年時代パスカルを研究していたが、その著作の中でもパスカルの妖怪性というか、人間化物論を引用しつつ、彼もまたこの論を深く広く展開している件(くだ)りにはなはだ興味を覚え私の脳裡にも忘れずに残っていたものだ。私はここに及んで彼自身妖怪性を顕著(けんちょ)に持っていることに、私ははたと思い当った。(「三木清における人間の研究」今日出海)『日本文学全集59 今東光 今日出海』今東光、今日出海

三木清
 それは異様な、一種幻妙な静寂、人間がおよそまれにしか味わうことのないあの無言の悟入であった。ヴェールがあがって、ふたたびおりる。人はなにをかいま見たのか思いだすことはできないが、なにかを見たことを、二度とおなじものはあらわれないことを知っている。それはめったに、ほんとにめったにあるものではない。それは絶妙なたぐいない日没の一瞬、偉大なシンフォニーの一断片、大闘牛士の剣があやまたず突き刺されたとき、マドリードとバルセロナの巨大なリングをつつむ恐ろしい静寂。スペイン人は、それをたくみによぶ――〈真実の瞬間〉と。(『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン:村上博基訳)
 ある人にとっては二つの現象(光が電車の両端に着くという現象)が同時に起きており、別の人にとっては、それが別の時刻に起きている。これを「同時性の破れ」と呼ぶ。いかにも奇妙な話だが、光速度不変性が正しければ、そうならざるをえない。(『時空図で理解する相対性理論』和田純夫)

相対性理論
 ストレッチは筋肉の柔軟性を増し、伸びやすくします。筋肉が伸びやすくなると、その筋肉がつく関節の動ける範囲、つまり「関節の可動域」が広がります。(中略)
 関節の可動域が広がると動作に余裕ができて、体の動きがスームズに。そうなればもちろん、スポーツのパフォーマンスの向上につながる上、スポーツ時のケガも起こりにくくなるでしょう。
(『ストレッチ・メソッド 5つのコツで もっと伸びる カラダが変わる』谷本道哉、石井直方
 ホワイトハウスから解放されると、ビルは講演巡業に出て、2001年から2012年の間に1億550万ドルを集め、クリントン財団のために数億ドルを調達した。重要なことに、ビルへの資金の最大の支払い元はアメリカ国内からではなく、元大統領を喜ばせることに熱心な――そしておそらく、アメリカの権力者への接触を求めている――外国の投資家や企業、政府からのものだった。同時期に、ヒラリーは米上院で急速に地位を高め、特に安全保障と外交政策に関する分野についての影響力と権力を身に着けていった。彼女が2008年の大統領選で民主党の公認争いに出馬した時、彼女の権力が強まるだろうとの見通しは、さらに高まった。バラク・オバマが民主党の予備選で予想外に勝利したことで、彼女の上昇機運は挫折したかに見えたが、それでも以前に比べればさらに力のある地位に落ち着いた。(『クリントン・キャッシュ 外国政府と企業がクリントン夫妻を『大金持ち』にした手法と理由』ピーター・シュヴァイツァー:あえば直道監修、小濱由美子・呉亮錫訳)