台湾の高砂義勇隊がわが部隊に糧秣を担送していたが、彼らの律儀さには驚いたよ。自分は食べないで、担送してきた途端に死んじゃった」
 と、全羅南道の金在淵さんは語るのだった。
 その高砂義勇隊員は、ジャングルの湿地帯を通り、険しい山を越えて40キロの行程を、何日もかけて背負子で担送してきて、飢えのために死んだと説明した。
(『証言 台湾高砂義勇隊』林えいだい)

高砂族
 目も脳の一部だということはご存じだろうか? 目はいわば脳の出先機関として外に露出しており、光に対する感受性を持っている。そのおかげで私達は、外の世界で起きていることを見ることができる。(『友達の数は何人? ダンバー数とつながりの進化心理学』ロビン・ダンバー:藤井留美訳)
 歴史というのは、政治戦争などを中心に語られがちだ。「誰が政権を握り、誰が戦争で勝利したのか」という具合に。
 だが、本当に歴史を動かしているのは、政治や戦争ではない。
 お金、経済なのである。
(『お金の流れでわかる世界の歴史  富、経済、権力……はこう「動いた」大村大次郎
 ではブラック・ホールとは何だろう。それは重力源としての質量はあるのに、大きさが無限小のものである。質量の値はいくらでもよいが、ここで登場しているのは地球の1000万分の1ぐらいの重さのものである。これは小さいので地面に落下してもスルスルと地球を貫通し、北大西洋上のある地点に出て再び空に飛んでいってしまったので落下物が残っていないのだというわけである。(『相対論的宇宙論 ブラックホール・宇宙・超宇宙』佐藤文隆、松田卓也
「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけである」(『ロボットとは何か 人の心を映す鏡』石黒浩)
 脱税の方法には、実はふたつしかありません。
 売り上げを抜くか、経費を水増すかです。どんな複雑な方法を使った脱税も、突き詰めればこのふたつに集約されます。
(『お坊さんはなぜ領収書を出さないのか大村大次郎
 でも今、私達を全力で支えてくれている、世界のたくさんの人達がいます。避難所で、イライラすることもあるけど、世界中の人達が応援してくれていると考えると、頑張れます。だから、もう少し私達を応援していて下さい。世界中の人達のおかげで、私達は生きていくことができます。災害にあって、本当に人の優しさがわかりました。これからも、世界中の人達に感謝して、いつか恩返しができることを信じながら、元気に生きていきたいと思います。(小齋可菜子 中学2年)『つなみ 被災地の子どもたちの作文集 完全版』森健

津波
 私は口笛だ。
 少年世一が日の出の力を借りて気随気ままに吹き鳴らす、へたくそのひと言ではとても片づけられない、切々たる響きの口笛だ。
 私は、けっしてきのうの延長などではない、未知なるきょうに向かって吹かれ、控えめな進行ではあっても確実に狂ってゆくこの世に向かって吹かれ、そして、人に拾われるまでの経歴が定かでない籠の鳥のために吹かれる。
(『千日の瑠璃 究極版丸山健二
 アルキュタスプラトンの友人で、常勝将軍と称えられた軍人にして政治家でもあり、音楽天文学物理学の分野で優れた仕事をし、古代世界ではきわめて高く評価されたピュタゴラス派の学者だった。そのアルキュタスが、「しかし、宇宙の果てとは何だろうか?」と問いかけたのである。
 もしも宇宙に果てがあるなら、なんとかしてそこまで行き、そこから外に向かって槍を投げたとしたら、その槍はどうなるのだろうか? 槍はこの世から消滅するのだろうか? それとも壁のようなものにぶつかって、はね返ってくるのだろうか? その壁はどれぐらい厚いのだろうか? 壁の向こうはどうなっているのだろうか?
 アルキュタスは槍投げのパラドックスにより、宇宙に果てがあるとすれば厄介な問題が生じるということを示したのである。
(『宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論』青木薫)