人間ははたして「私」から自由になったことがあるでしょうか?(『時間の終焉 J・クリシュナムルティ&デヴィッド・ボーム対話集J・クリシュナムルティ:渡辺充訳)

デヴィッド・ボーム
「僕は腹のなかでは、アメリカと戦争をやって勝てるとは思っていなかったから、とても憂鬱な気持ちで読み上げましたよ……。あの時はねえ、陸軍が戦争をやるといっていたが、実際にアメリカとやるのは海軍なんだ。海軍が決心しないとやれない。陸軍は自分でやるんじゃないから腹がいたまない、それで勝手なことをいっていたんです。海軍は自分でやるんだから、最終的な決断は海軍がすべきだったんだ。ところが海軍は、できないとはっきりいわんのだ」(『昭和16年夏の敗戦猪瀬直樹

大東亜戦争
 ただ「善因善果、悪因悪果」という言い方は、アビダルマ的に厳密にいえば不正確であり、正確には「善因楽果、悪因苦果」と言わなければならない。善の行為が原因となって、好ましい安楽な結果が生ずる。悪の行為が原因となって、好ましからぬ結果が生ずる。原因のほうは道徳的に【善い】か【悪い】かであるが、結果のほうはその結果を受ける身にとって【好ましい】かあるいは【好ましくない】かであって、道徳的にいえばそれは善でも悪でもない中性である。したがって「善果・悪果」という言い方はできないのである。(『存在の分析「アビダルマ」 仏教の思想2』桜部建、上山春平
 ジェイムズと共同で、人びとが広大な社会的ネットワークでつながっているというアイデアについて考えはじめると、次のことがはっきりした。社会的影響は知っている人のところで止まるわけではないのだ。私たちが友人に影響を与え、その友人が自分の友人に影響を与えるとすれば、私たちの行動は一度も遭ったことのない人に影響する可能性がある。(『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』ニコラス・A・クリスタキス、ジェイムズ・H・ファウラー:鬼澤忍訳)
●キリスト教と名前の由来
 パウロ(イエスの弟子、「異邦人の使徒」)→ポール(英)、パブロ(スペイン)
 ミカエル(天使の名)→マイケル、マイク(英)
 ヨハネ(イエスの洗礼者)→ジョン(英)、ジャン(仏)、イヴァン(露)
 ヤコブ(イエスの弟子)→ジェームズ(英)

●ゲルマン文化と名前の由来
 Karl(「男」を表すゲルマン系の言葉)→チャールズ(英)、シャルル(仏)、カール(独)、カルロス(スペイン)
 Hluodowlg(「高名な戦士」を表すゲルマン系の言葉)→クローヴィス(仏)
 →ルイ(仏)、ルードヴィヒ(独)、ルイス(英)
 Heinrich(「家の主」を表すゲルマン系の言葉)→ヘンリ(英)、アンリ(仏)、ハインリヒ(独)

(『ニューステージ 世界史詳覧』浜島書店編集部)
 それは、ブッダ・ゴータマの最初の説法なるものが、通例の説法とはことなり、むしろ、討論、研究というにふさわしいものであったことを示している。ブッダ・ゴータマは、まず、かの「四つの命題」を語って彼らのまえにおいた。彼らは、それをめぐって、いく日もいく日も、討議し、研究した。そして、そのようないく日かののち、ついに5人のなかの1人、コーンダンニャ(憍陳如)なるものが、それを理解し、納得した。そのとき、ブッダ・ゴータマは、「コーンダンニャは悟った。コーンダンニャは悟った」と、声をあげて喜んだ。(『知恵と慈悲〈ブッダ〉 仏教の思想1増谷文雄梅原猛

仏教
 戦争という危急の事態が、そうでなければ無名のままで終わったかもしれない多くの人々に、名声と評価をもたらした。勇気だけでなく――それは私たちがもうほとんど気にも留めなくなったほど一般化していたが――これまで潜んでいた、思いも掛けない才能や、天才までもが、まったく予期しなかった場所で、苦難の暗さをバックにして、明るいライトを浴びたのだった。(『ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯』クレア・キップス:梨木香歩訳)

スズメ
 スズメに限りませんが、鳥の巣は、卵を抱いてヒナを育てるためだけの場所であって、我々の家のように「暮らすためのもの」ではありません。抱卵期の親鳥は昼も夜もなく卵を温めますから、そういう意味では巣は寝床にもなりますが、ヒナがある程度大きくなったら、親鳥は巣の近くの木立の中などで寝ます。そして、子育てが一通り終わったら、翌年まで、ほったらかしです。(『スズメ つかず・はなれず・二千年三上修
「復原をして、すっかり貧乏になりました」
と、屈託なく笑われる吉川(金次)さんの研究を、私は、文部省の研究費を受けて“研究”している大学人や研究所などのいわゆる専門家の研究なるものと、どうしても比較せざるをえなかった。研究費をもらうどころか、生活費をさいてまでつぎこんで、学問に役立つ研究が、下町の職人の家から生まれたのである。
(『森浩一対談集 古代技術の復権』森浩一)
 核抑止力とは、「お互いに核ミサイルを持っているから攻撃できない」という単純な考え方ではないのだ。(中略)
 米ソ冷戦時代に核戦争が起きなかったのは、この相互確証破壊が成立していたからだ。(中略)
 戦略原潜がある以上、米ソともに核攻撃ができないというのが、相互確証破壊の理論である。
(『紛争輸出国アメリカの大罪藤井厳喜
 たとえば、地面に根をはって生きている植物を見て、私たちはつい、植物は「動けない」と考えてしまいがちです。しかし植物は、むしろ積極的に「動かない」ことを選んだのです。植物は、生きている環境と一体化して、その環境(光、温度、水分など)をとても上手に利用しています。(『これでナットク!植物の謎 植木屋さんも知らないたくましいその生き方』日本植物生理学会編)
「闇のなかでしか、見えないものもあるんだよ」(『風の影』カルロス・ルイス・サフォン:木村裕美訳)
 不幸というものは、傍観者であるか、当事者であるかによって、見え方はまったく異なる。(『ジェノサイド』高野和明)
 津波のスピードは、水深の平方根にほぼ比例して、深いところほど速く、水深4000mの深い海では時速約712kmと、まるでジェット機並の速度で四方に伝播(でんぱ)する。然し、そのスピードは、陸地が近づき水深が浅くなるにつれて、海ごと走って来た津波が海底の障害に突き当るため、急速に衰えてくる。それでも水深1000mで時速255km(秒速70m)、200mで時速160km(秒速45m)というから近海に来てからでも新幹線ぐらい、ついで普通の電車ぐらいのスピードで押し寄せて来る。
 水深が浅くなって津波のスピードが落ちて来ると、同時に津波の山と山の間がしだいに縮まり、前を進む波に、後ろから押し寄せて来る波が、つぎつぎに追いつき、覆いかぶさり、折り重なるような形になる。つまりはエネルギーが前後に圧縮される。
(『津波てんでんこ 近代日本の津波史山下文男
 人間はどこかで、会社なり学校なり、自分以外の誰かに動かされている環境を持っていなければいけません。何も強制されていない環境に置かれると、人間はいつの間にか、脳のより原始的な機能である感情系の要求に従って動くようになってしまいます。その結果、生活のリズムを失い、面倒なことを避けるようになり、感情系の快ばかり求める生活になる。脳は基本的に怠け者であり、楽をしたがるようにできています。(『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める』築山節)