また、敵機と対したとき、その敵機にたい(ママ)する憎しみは強いが、その中に乗っている生命を持った人間というものに対してはあまりそういう意識を持たなかった。顔を見れば、敵という感じよりも、彼もまた同じ飛行機乗りだという親愛の感じのほうが強く出てきて、決してその人間にたい(ママ)する憎しみの出てこないのも、不思議な心理の働きであった。いや、それどころか、むしろお互いに頑張ろうじゃないかと肩でも叩きたいような親愛感さえ感じたものだ。(『続・大空のサムライ 回想のエースたち坂井三郎

戦争日本近代史
 9時になると消灯。私は寒い冬の夜でも、衛兵の目をかすめて抜けだし外套を頭からかぶって、練兵場で勉強した。
 またあるときは、消灯後も便所だけは常夜灯なのを利用して、便所へ入って勉強した。しかし、これも間もなく衛兵に発見されて追いはらわれたので、こんどは新しい勉強法を発明した。それは、懐中電灯を買ってきて、就寝後、ハンモックに寝たまま、頭から毛布をかぶり、その下で懐中電灯をともして勉強するという方法である。これは長くつづいた。
(『大空のサムライ坂井三郎

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