ニュートンは、文句のつけようのない変人だった。計り知れない才能の持ち主ではあったものの、孤独を愛し、陰気な質(たち)で、病的なまでに怒りっぽく、始終、心ここにあらずというふうで(朝ベッドから出ようと足を床に下ろしたとたん、突然頭に湧き起こった考えに気を取られて、ぴくりともせずに何時間も坐っていつことがときどきあったと報じられている)、へんてこな事をしでかす名人だった。(『人類が知っていることすべての短い歴史ビル・ブライソン楡井浩一訳)