後漢から約100年あと、4世紀前半の東晋時代になると、儒教に代わって老荘思想が流行してきた。そのため、老荘思想をもって仏教を解釈しようとする風潮が生まれるようになった。これを「格義仏教」という。格義とは中国の老僧の「無」の思想によって、仏教の「般若皆空」の思想を理解しようとしたもので、「無」と「空」とを同一視する考え方である。(『無限の世界観〈華厳〉 仏教の思想6』鎌田茂雄、上山春平