アメリカの捕鯨業は、日本のように鯨(くじら)を食べるためではなく、油を取るためだった。アメリカはイギリスを追って機械工業の時代に入っており、どうしても夜間照明用の油が必要だった。技術革新によって蒸気船が発明され、加えてパナマに鉄道が開通し、太平洋がきわめて近い存在になった。カリフォルニアと中国のあいだに航路が開設され、捕鯨船を含めて日本列島周辺での遭難も増え、石炭を確保する上でも日本の港が必要だった。(『偽りの幕末動乱星亮一

日本近代史