アメリカが自国の裏庭である中南米でキューバとの和解を進めている裏にも、覇権をうかがう中国の存在があります。援助外交や運河建設で中南米の反米国に接近している中国をにらんで、足元を固めようとしているのです。
 イランとの和解を進めていたのも、中東情勢をできるだけ安定化させ、アジア戦略に集中したいという背景があるわけです。
 こうしたアメリカの外交方針はオバマ政権だけのものでなく、次の政権が民主党のクリントンになろうと、共和党のブッシュになろうと変わることはないでしょう。
(『石油とマネーの新・世界覇権図 アメリカの中東戦略で世界は激変する中原圭介

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