日本では台湾の先住民を、高砂(たかさご)族と呼んでいる。昭和天皇が1923(大正12)年に、皇太子として台湾を訪問された時に、高山蕃のアミ族の男女の踊りを、ご覧になった。それまで先住民族は「蕃人」と呼ばれていたのを、日本の統治のもとで引き継いで、そのように呼んでいた。裕仁(ひろひと)親王が「それでは、あまりに気の毒だ」といわれて、「高砂族」と名づけられた。(『日本と台湾 ――なぜ、両国は運命共同体なのか加瀬英明