定職をもたないエルデシュはほとんど金を持っていなかったが、なけなしの金をすべて他者への奉仕のために使った。金がなくて勉強を続けることができない大学院生のことを聞くと彼は小切手を送った。マドラスで講演をするときは、その報酬をかならずインドの偉大な数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの未亡人に捧げた。エルデシュはラマヌジャン本人にも妻にも会ったことはない。しかし、ラマヌジャンの公式の美しさが若き数学者であるエルデシュを興奮させたのである。(『My Brain is Open 20世紀数学界の異才 ポール・エルデシュ放浪記ブルース・シェクター:グラベルロード訳)

ポール・エルデシュ