ジャイプールの刑務所でおこなわれた瞑想コースは、囚人たちに大きな変化をもたらし、しだいにインドの他の地域の刑務所でも、ヴィパッサナ瞑想のコースがおこなわれるようになっていった。バブ・パヤ――彼は5分間で3人を殺害した――の場合、バロダ刑務所でヴィパッサナのコースに参加した後、はじめてみずからの行為に強烈な後悔を感じ、被害者の家族に許しを乞う手紙を送った。1992年、兄弟と姉妹の絆を強める「ラクシャ・バンダン」の日、被害者の妻と妹は刑務所を訪れ、バヤの手首に「ラキ」のひもを結んだ。彼を兄弟として認めるしるしだった。(『瞑想する脳科学』永沢哲)