このTPP参加と物価目標2%達成は、かたやデフレ要因であるのに対し、一方がインフレ要因であるという完全なる矛盾をはらんでいる。そして、TPP参加がデフレ要因であるなら、消費税引き上げは直接的にはインフレ要因である。これらの政策を同時に推進するということはアベノミクスで放たれた「矢」がそれぞれお互いの方向を向いているような、交錯をしている状態となる。したがって、こうした政策を推し進めれば進めるほど、互いの効果を相殺する二律背反の状況に陥ることになる。(『アメリカは日本の消費税を許さない 通貨戦争で読み解く世界経済岩本沙弓

通貨戦争
●体温が下がると、どんな症状が表れるか
 36.5℃――健康体、免疫力旺盛
 36.0℃――ふるえることによって熱発生を増加させようとする
 35.5℃――恒常的に続くと
       ・排泄(はいせつ)機能低下
       ・自律神経失調症状態が出現
       ・アレルギー症状が出現
 35℃――ガン細胞が最も増殖する温度
 34℃――水におぼれた人を救出後、生命の回復ができるかギリギリ体温
 33℃――冬山で遭難し、凍死する前に幻覚が出てくる体温
 30℃――意識消失
 29℃――瞳孔拡大
 27℃以下――死体の体温
(『「体を温める」と病気は必ず治る クスリをいっさい使わない最善の内臓強化法石原結實

「こんな世界は嫌だ!」と引きこもるのは、自分のエゴの型が世間と合わないことに我慢できないからです。
「ひきこもりなんて他人事でしょう」と思っているとしたら、それは違います。私たちは必ず何かのグループに所属していますが、これは一種の引きこもりなのです。「私たちは他とは違うんだ」とバリアを張って、似たもの同士の群れに引きこもっているのです。
(『ブッダが教えた本当のやさしさ 』〈『「やさしい」ってどういうこと?』改題〉アルボムッレ・スマナサーラ

仏教
 いままでの医学は、ガンについて、外から何か悪いものが入ってきてガンの遺伝子に作用して発ガンするという考えをとっていました。発ガンの最初のきっかけとなる悪い発ガン物質は外からくるもの、といっていたのです。しかし、私の研究してきた白血球の自律神経支配を理解すれば、発ガンの原因は、まちがいなく身体の内部にあること、つまり私たちの生き方そのものがガンの原因になっているということにたどりつかざるを得ないのです。(『免疫革命』安保徹)

 いわばポップカルチャーは「娯楽」の隠れミノのもと、人々がみずからのホンネに基づいて世の中を作りかえようとする。空想的な社会計画の場としての機能を持っているのだ。(『夢見られた近代』佐藤健志)
 トインビー氏が物理的手法について述べるとき、ニュートンの古典力学を念頭に置いている。このニュートン力学を哲学的に整理したのがカントだ。従って、われわれが自明の前提としている時間や空間についても、物理的手法の上で成り立っているのである。(『地球時代の哲学 池田・トインビー対談を読み解く佐藤優
 比較認知科学というのは、人間とそれ以外の動物を比較して、人間の心の進化的な起源をさぐる学問のことである。
 人間の体が進化の産物であるのと同時に、その心も進化の産物である。いったんそう理解してしまえば、教育も、親子関係も、社会も、みな進化の産物であることがわかる。チンパンジーという、人間にもっとも近い進化の隣人のことを深く知ることで、人間の心のどういう部分が特別なのかが照らしだされ、教育や親子関係や社会の進化的な起源が見えてくる。それはとりもなおさず、「人間とは何か」という問いへの一つの解答だろう。
(『想像するちから チンパンジーが教えてくれた人間の心』松沢哲郎)
 現在のゆがんだ通貨システムでは、ある特定の国、あるいは特定の集団のエゴが反映されやすいのです。自由競争の原理が働いているはずの市場が、実は富を収奪するための最高のツールとして使われている側面さえあります。(『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由 岩本沙弓
 人を斬(き)る飄(かぜ)であった。
 小さな真空をもった大きなうねりが、突然、すさまじい速さで■(はし)ってきたようで、それにまともにふれた者は裂かれたにちがいない。
 士会(しかい)の手にあった戈(か)は、おもいがけない衝撃をうけ、とっさにかれは跳びすさった。
(『沙中の回廊宮城谷昌光
 刑事裁判では、どういったわけか無罪判決を書く機会がまったくなく、有り体に言うと「証拠が完全でなくても、めげることなく果敢に有罪を認定する力」を養うのがこの科目の目的に感じられた。修習生が無罪判決を書いてもいいが、それは「正解」ではなかった。(『検事失格』市川寛)

検察
 ここで問題になるのが、ハーバード大学のローゼンタール博士が言うところの「お蔵入り問題」だ。(中略)
 原理的なことを言えば、本当は否定的な実験結果は肯定的な実験結果と同じくらい意味があるのだが、実験者の心の問題として、否定的な実験結果には価値がないと思ってしまうのである。
 こうして、超常現象に否定的な結果はお蔵入りとなり、超常現象に肯定的な結果ばかりが公表されることになる。このことが、見かけ上統計的に有意な超常現象があるように見える理由ではないかと考えることもできる。これが、「お蔵入り問題」なのである。(茂木)
(『ノーベル賞科学者ブライアン・ジョセフソンの科学は心霊現象をいかにとらえるか』ブライアン・ジョセフソン:茂木健一郎竹内薫訳)
 だからこそ、ここで私はあえて言いたい。
「会社を徹底的に利用しろ、社畜のフリをした【仮面社畜】になれ」
 と。(中略)
 実際は、
【利用する人】になれるかどうかは、能力ではなくマインドの問題
 なのです。どういうことかと言うと、
【利用する人】の視点で物事を見ることができるかどうか
 の違いだけということです。
(『仮面社畜のススメ 会社と上司を有効利用するための42の方法』小玉歩)
 本来国民が再分配によって受け取るはずの富であるにもかかわらず、企業が受け取る還付金の額だけが増える。財政再建のための消費税引き上げだったにもかかわらず歳入全体の減少のために、社会保障費には回されずに、消費税を引き上げれば引き上げるほど輸出企業に還付金が大量に流れるという悪循環から、このままでは抜けだせなくなってしまうのだ。(『バブルの死角 日本人が損するカラクリ岩本沙弓
 極端な言い方をすれば、世界の金融は所謂「手形のキャッチボール状態」にある。万が一、どこかが破綻し受け取った手形が不渡りになれば、受け取っている側には不良債権化と資金ショートの危険が発生し、裏書きしている金融機関はその保証リスクを負うことになる。この構造は、町の金融業者でも国際金融資本でも変わらない。単に大きいか小さいかだけの違いであって何も変わらない。(渡邉)『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界藤井厳喜渡邉哲也
 たとえば、2011年の上半期(4月から9月まで)の間、領空侵犯の恐れがある外国機に対して、航空自衛隊が緊急発進(スクランブル)した回数は合計203回となり、そのうち対中国機へのものが昨年同期比で3.5倍の83回に急増している。防衛省統合幕僚監部によると、いずれのケースも領空侵犯の事態にまでは至っていないが、中国軍の情報収集機が沖縄県・尖閣諸島の北100キロ圏まで接近する例は相次いでいるという。(『緊急シミュレーション 日中もし戦わば』マイケル・グリーン、張宇燕、春原剛、富坂聰)
湯川秀樹●もう一つ、さっきのアインシュタインの他にそれと似たような例を申しますと、量子論という、相対性原理と相並ぶ20世紀のもう一つの原理を初めて言い出したプランクという学者、この人はどっちかというと、アインシュタイン以上に徹底した実在論者であり、19世紀的な合理主義者です。去年なくなりましたが、おそらく死ぬまでそういう意味の合理主義者的な立場、従って因果律のようなものをどこまでも認めていく立場を取っていたと思います。ところがこの人が量子論というのを言い出した。量子論というのは自然現象に不連続性があるということなのです。そしてこの不連続性と初めにいった偶然性とが結びついていたのです。当人はそういう不連続性などは認めたくないような傾向の人です。ところがやっていくうちにどうしてもそういうふうにしなければならないことになって、いやいやながらこれを持ち込んだ。それが物理学の大革命のいちばん初めだった。ところが当人はそれとむしろ反対の傾向の人なのです。

小林秀雄●科学だって一種の芸術ですし、芸術家はまた一種の職人ですからね。自分の人生観なり、形而上学(けいじじょうがく)的観念から演繹(えんえき)する事が仕事ではない。具体的な仕事の方から逆に常に教えられているでしょう。その具体的な仕事には職人はいつだって忠実ならざるを得ないから、そういうことになる。

(1948年8月『新潮』に掲載/『直観を磨くもの 小林秀雄対話集小林秀雄
 この健康法は誰にでもできます。そして人にもやってあげられます。要は皮下、筋肉、筋に沈殿している汚れをもみつぶして静脈からの吸収をしやすくし、血液循環を良くして汚れを運び去って排泄するということ。(『足の汚れ〈沈澱物〉が万病の原因だった 足心道秘術』官有謀)
 所得控除に関しては、面白い話があります。
 実は、税務署員は普通のサラリーマンよりも扶養家族が多い、というものです。
 なぜだと思いますか?
 税務署員は家族思いだから、よく家族の面倒を見ているんだろう?
 違います。
 税務署員は、「扶養控除」を最大限に使っているということです。扶養家族が増えれば、扶養控除が増えますからね、その分、税金が安くなるわけです。
 税務署員は、どういうものが扶養控除になるかをよく知っています。そして扶養控除にできる範囲というのは、世間で思われているよりかなり広いのです。
(『税務署員だけのヒミツの節税術 あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】大村大次郎
Q 事実ではないはずのことを、なぜ確信をもって記憶する人がいるのか?

A 人間の行動は記憶が支えていると言ってよいだろう。人間は過去に学んで、将来を変えていく生物である。つまり、記憶の意義は、経験を記憶し、生き残るのに適した行動をより多くとらせることにある。そのため心の中には、あるがままの事実の記憶より、行動に便利な記憶が形成される傾向がある。個別の具体的な記憶よりも、少しは体系化された、より抽象的な記憶のほうが、将来の行動を決定するのに役に立つのだ。

(『人はなぜだまされるのか 進化心理学が解き明かす「心」の不思議』石川幹人)
 筋立てからも分かるとおり、(アニメ版)『アキラ』において東京は「瓦礫の山より出発、驚異的な発展をとげるものの、繁栄のピークで自己崩壊をきたし、瓦礫の山に戻る」プロセスを得急につづけるものとしてとらえられる。つまりは1945年から始まり、回り回ってふたたび1945年に行き着くのである。(中略)
 2020年にネオ東京でオリンピックの開催が予定されていたことも、関連して注目に値する。東京五輪が開かれたのは1964年のことながら、本来は戦前、1940年に開催されるはずであった。1939年、第二次世界大戦が勃発したせいで、この大会は流れてしまうのだが、『アキラ』が「近代日本(とりわけ戦後日本)をめぐる寓話」というニュアンスを持つことは疑いえまい。
(『震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する』佐藤健志)
 賢明(けんめい)な同伴者、あるいは
 明敏(めいびん)な仲間が得られなければ
 王が、征服(せいふく)した国を捨てて立ち去るように
 犀(さい)の角(つの)のようにただ独(ひと)り歩(あゆ)め。
(『日常語訳 新編スッタニパータ ブッダの〈智恵の言葉〉今枝由郎

仏教スッタニパータ
 そぼ降る雨の中、彼は卒業式を高みの見物に出かけた。濡れた灰色の講堂から流れ出てきた真新しいスーツ姿の友人たちの前で、彼はからからと笑い、次のごとく嘯(うそぶ)いた。
「俺には自分が名を成すことがありありと分かっている。むざむざ社会の歯車となってくだらん仕事に命を削るよりも、俺は自分の才能にふさわしい名誉を得て、斎藤秀太郎の名を死後百年に遺す。4年は何事も為さぬにはあまりにも長いが、何事かを為すにはあまりにも短い。さらばだ、凡人諸君」
 仲間たちは苦笑した。そして、「社会の歯車」になるために彼のもとを去っていった。
(『新釈 走れメロス 他四篇』森見登美彦)
 言葉を話せなくなった弱者に代わって、ものを言ってくれるのは、事故の痕跡しかありません。もし皆さんがご相談をお受けになった段階で間に合えば、事故車でも衣類でも持ち物ひとつでもいいから、その現場にあったものを保存するようにアドバイスしてください。いたずらにうろたえたり、嘆き悲しんだりしているだけでは、絶対に事故は解決できません。「泣くのは明日からにしなさい。今日は我慢して現場へ行って写真を撮ってきなさい」と、ちょっと厳しく残酷なようですけれども、とにかく証拠保全に全力を傾けていただきたいと思います。(『交通事故鑑定人 鑑定歴五〇年・駒沢幹也の事件ファイル』柳原三佳)
 そもそも、人類300万年の歴史のうち、ほとんどの期間を「空腹」で過ごしてきたのだから、人間の体は「空腹」には、慣れている。逆に、「満腹」に慣れていないからこそ、メタボリック・シンドロームや免疫力低下からくるアレルギー、自己免疫疾患、ガン……などの万病、奇病に悩まされているのである。(『「食べない」健康法石原結實

 私の教え子だったある23歳のソマリア人女性も、首都モガディシオで銃撃を受けこの世を去った。その直後、彼女の上司であるソマリア人のNGO職員は、静かにこう言っていた。
「この街で民兵に撃たれるというのは、残念だけど、交通事故に遭うようなものなんだ。でも、泣き寝入りするだけで動ける人が動かないままだと、何も変わらないんだ」
(『職業は武装解除』瀬谷ルミ子)

伊勢崎賢治
 しかし、「生命」が宿っているあいだは、生物の体はずっと構造と情報の秩序を保ちつづけます。これは生命をもたない石ころや鉄の塊にはありえないことです。それらはエントロピー増大原理に逆らうことができず、壊れていく一方です。ここに生命とふつうの物質の最大の違いがあると、シュレーディンガーは考えたのです。(『死なないやつら』長沼毅)
 事実、ヨーロッパの言語は例外なく、思索の用語をラテン語から借りているし、そのラテン語は不足する表現をそっくりギリシャ語から借用した。(『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』ガイ・ドイッチャー:椋田直子訳)
 水俣病、水俣病ち、世話やくな。こん年になって、医者どんにみせことのなか体が、今々はやりの、聞いたこともなか見苦しか病気になってたまるかい。水俣病ちゅうとは、栄養の足らんもんがかかる病気ちゅうじゃなかか。おるごがつ、海のぶえんの魚ば、朝に晩に食うて栄華しよるもんが、なにが水俣病か――。(『苦海浄土石牟礼道子
 信ずるという力を失うと、人間は責任を取らなくなるのです。そうすると人間は集団的になるのです。自分流に信じないから、集団的なイデオロギーというものが幅をきかせるのです。だから、イデオロギーは常に匿名です。責任を取りません。責任を持たない大衆、集団の力は恐ろしいものです。(『学生との対話小林秀雄