ーロッパの世界というのは、三つの柱から成り立っていると言えると思います。corpuschristianaum(キリスト教世界)――すなわちユダヤ・キリスト教の一神教の伝統、ギリシア古典哲学、そしてローマ法の三つから構成される文化統合団体です。この三つから成る一つの文化体系がヨーロッパなのです。(『国家の崩壊佐藤優
 さらに独占事業ゆえに本来なら広告宣伝費を必要としないはずだが、日経データベースで調べると10年前の243億円が、2007年3月期は286億円とさらに増えている。
 不可解なのが「拡販費」「その他販売費」なるものが、宣伝広告費と別にほぼ同額が毎年(約240億円)支出されている。本来は電力供給エリアを他電力会社と争っているわけでもなければ、新聞販売店並みに「拡財」を使って契約を取る必要もないだけに不思議な話である。
(『東京電力 帝国の暗黒恩田勝亘
 フランス人っていうのは、おかしいと思ったら一人でも闘う。
 それがフランス革命を起こしたこの国の伝統で、
 フランス人が一番大切にする気質です。
 1940年、わたしがドイツ軍に捕まった時、それはちょうど結婚した
 ばかりの時期でしたから、指に新しい結婚指輪をつけていたんです。
 で、それを見つけたドイツ兵は、無理矢理、指輪を指から盗ろうとした。

 もう頭にきてねぇ。一人でも闘おうと決心しました。

 捕虜になると、最初に顔写真を撮られます。
 ナチスの連中はたかだか証明写真だっていうのに、
 わたしの身体をカメラの前に置き、ものすごい力で両脇から押さえつけてきた。
 フランス人なら絶対こんな時、闘わなくちゃいけない。
 だから、わたしはシャッターが押される瞬間、カメラの前で目一杯
 舌を出してやったんですよ。……こんな風にね。
 もちろん殴られて、再度写真を撮られることになった。
 でもわたしは抵抗をやめませんでしたよ。
 何度も何度も、彼らが諦(あきら)めるまで私は舌を出し続けた。

 独裁とは一人でも闘う。

 小さなことかもしれませんが、
 それがフランス人の矜持(きょうじ)なんです。

(『この大地に命与えられし者たちへ』写真・文 桃井和馬
 ……もっとわかりやすくいうと、もうひとりのフランケルさんがいた。フラウ・フランケル、フランケルさんの母親。ついさっき、フランケルさんがずいぶん年寄りだといった。とするとフラウ・フランケルをどういえばいいのだろう。石のような、骨みたいな、木のような、化けるほどの年より……ぼくは思うのだけど、きっと100歳をこえていた。そんなにも年をとっていたので、血と肉をもった生きものというよりも、建物に備えつけの家具みたいだった。つまり、生きているというよりも、そこにあるといったほうがぴったりだった。この点、蝶の標本とか、こわれやすい薄手の花瓶と似ていた。動かない。ひとことも口をきかない。(『ゾマーさんのことパトリック・ジュースキント:池内紀訳)
 そのためにも、「自分の得意な形に逃げない」ということを心がけている。自分の得意な形に持っていくと楽だし、私にも楽をしたいという気持ちはある。しかし、それを続けてばかりいると飽きがきて、世界が狭くなってしまう。息苦しくなって、アイデアも限られてしまうのだ。(『決断力羽生善治

将棋
 まず第一に、経済が大きくなるのに伴って企業も大規模化し、組織も複雑になり、人も増えた。その結果として、内務官僚型の人材が輩出されてきた。一時期、社長室、企画室などといった内部の調整をする部門があたかもその会社の中枢であり、エリートであるとみなされる風潮があった。ここにおいては、現場第一線で利益を上げる者、またコストを削減する者よりも大規模組織の上に乗って各部門の利害を調整していく、上司のQ&Aに適切に答えられる、資料の作成がうまい、会議の進行がうまいといったコーディネーターが評価された。調整能力が重視され、調整型社員がエリートであるとの認識が組織に蔓延したのである。(『スーパーサラリーマンは社外をめざす西山昭彦