しかし、銀行に行けばお金を下ろせるというのは、目が見える人にとっての常識ではあっても、視覚障害者の場合は必ずしもそうではありません。なぜなら僕たちは、つるつるの画面しかないタッチパネル式のATMではお金を下ろすことができないからです。
 凹凸のあるボタンなら、最初の1回だけ目が見える人に教えてもらって位置を覚えておけば、次からは自力で何とか操作ができます。でも、タッチパネル式の場合には、画面が平らで手で触って分かる手掛かりがないため、全盲の僕にはお手上げなのです。また、弱視の人が、一生懸命に表示を見ようと顔を近付けすぎて鼻が当たってしまい、「画面に物を置かないでください」と、ATMの音声アナウンスに怒られたという話は有名です。
(『怒りの川田さん 全盲だから見えた日本のリアル川田隆一
 また、原因別に見てみると、病苦等11499人、経済生活問題6058人と続く。実は、この数字にはトリックがあり、自殺そのものには犯罪性がないために警察の念入りな捜査による真相究明ができず、家族などの「そういえば病気を苦にしていた」といった曖昧証言がそのまま自殺原因とされるケースがほとんどだ。この問題については、後ほどあらためて詳しく取り上げたいが、そんなことを割り引いて考えれば、実質的には、経済生活問題が一番の原因となる。
 昔から、自殺者数の推移は、世の中の状況と密接にかかわってきた。不景気になると自殺者が増え、景気がよくなると自殺者が減るという繰り返して、まれに見る激増を示した平成10年のデータも、なかなか出口が見えない。長引く平成不況の影響なしには語ることはできまい。
(『自殺死体の叫び上野正彦
「戦争犯罪なんて、そんな考えはまったくありません。生かすも殺すも、私の自由でした。集めて殴って、こりゃいかんと思ったら、パッパッーと殺す」  むしろ婦女子をかわいがれば、善いことをしていると思っていた。
「仲介人から少女を100円で買って、呉江県で従軍慰安所を開いたこともあります。売られているのを買い戻してやって、苦しいところを助けてやったと思っていたくらいです」と永富さんはいう。
(『戦争と罪責野田正彰

戦争
 即物的に見れば、人間は多数の管(チューブ)から成っている。あなたが、たとえば癌の末期になって集中治療室に入れられると、あなたのすべての管(チューブ)は外部の管につながれる。そのときあなたは人間が管(チューブ)の集合体であることを知るであろう。
 中でも最も基本的な管(チューブ)は消化管である。というより、人間そのものが消化管という管(チューブ)を内腔とした、巨大な管(チューブ)と見ることもできる。
(『免疫の意味論多田富雄
 持ち家は車の取引で稼いだ金で買った。表向きには、ローンを組んだ。アメリカではローンを使うのが一番信用があり、現金を使う人は一番信用がない。「現金しか使えないのは、信用がないからだ」と言われる。(『アメリカ重犯罪刑務所 麻薬王になった日本人の獄中記丸山隆三
 カネにまつわる検察庁の問題といえば、元大阪高検公安部長によって、調査活動費という裏経費が明るみに出たが、それ以外にもいろいろある。たとえば捜査予備費というのも、その一つだ。それは検察庁全体で2億円から3億円の年間予算があり、事件処理をする度に、そのなかから特別の報奨金が各地検に配られる。被疑者を一人起訴して公判請求すれば5万円、略式起訴なら3万円、起訴猶予でも1万円といったところだった。それらの大半が、地検の幹部の小遣いに化けるシステムである。
 つまり、各地検は扱う事件の数が多ければ多いほど、この特別報奨金が分捕れる仕組みになっている。そこで、地検の幹部たちは逮捕者の多い選挙違反を好んであげるのである。
(『反転 闇社会の守護神と呼ばれて田中森一

検察
 紀元前後に仏教内に革新的運動が起きた。「大乗仏教」の運動である。「大乗」(マハーヤーナ)とは、大きな乗物を意味する。この新しい運動に属する者たちは、みずからの仏教を「大乗」と呼び、それまでの保守的な仏教を「小乗」(ヒーナヤーナ)と呼んだ。「ヒーナ」とは「小さい」よりもむしろ「劣る」を意味する。具体的には部派仏教を指していた。(『最澄と空海 日本仏教思想の誕生立川武蔵

最澄空海