オオカミには遠い距離を隔ててコミュニケーションをかわす能力があるだけでなく、ほとんどわれわれと同じように「話す」こともできる。彼はそう主張した。自分自身には、オオカミの声がすべて聞こえるわけでもないし、ほとんど理解することもできない。彼はそう認めたけれど、あるイヌイット、なかでもオーテクは、オオカミの声を聞くことも、理解することもできる。だから、文字通り、オオカミと会話をかわすこともできるのだという。(『狼が語る ネバー・クライ・ウルフ』ファーリー・モウェット:小林正佳訳)