しかし、「生命」が宿っているあいだは、生物の体はずっと構造と情報の秩序を保ちつづけます。これは生命をもたない石ころや鉄の塊にはありえないことです。それらはエントロピー増大原理に逆らうことができず、壊れていく一方です。ここに生命とふつうの物質の最大の違いがあると、シュレーディンガーは考えたのです。(『死なないやつら』長沼毅)