若し止を修せんとせば、静処(じょうしょ)に住し、端坐して意を正し、気息にも依らず、形色(ぎょうしき)にも依らず、空にも依らず、地水火風にも依らず、乃至、見聞覚知(けんもんかくち)にも依らざれ。一切の諸想を念に随って皆除き、亦除想をも遣(や)れ。一切の法は本来無相なるを以て、念念に生ぜず念念に滅せざればなり。亦心外(しんげ)に随って境界を念じて後に、心を以て心を除くことも得ざれ。心にして若し馳散(ちさん)せば、即ち当に摂(おさ)め来って正念に住せしむべし。(『大乗起信論宇井伯寿、高崎直道訳注)

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