戦後、GHQ(連合国総司令部)によって地主の土地を分割して小作農に渡す「農地解放」が行われたことも、日本の農業を弱体化させた大きな要因の一つでしょう。農地解放には、虐げられてきた小作農を救済するという面もあります。しかしそれはすなわち土地を細切れにしてしまうということでもありました。狭い農地ばかりでまとまった広い農地がなく、しかも持ち主がバラバラであるということは、その後の日本の農業の大規模化・効率化が進まない大きな一因となったのです。(『2015年の食料危機(フードクライシス) ヘッジファンドマネージャーが説く次なる大難』齋藤利男)