世紀半ばには、他の強国が台頭する。今は強大な国と見なされていないが、今後数十年間でますます力を蓄え、自己主張を強めると思われる国々だ。中でも3国が傑出する。第一が、日本である。日本は現在世界第2の経済大国だが、資源に乏しく輸入依存度がきわめて高いという点で最も脆弱な国でもある。軍国主義の歴史を背負う日本が、平和主義的な二流大国のままでいるはずがない。そのままではいられないのだ。深刻な人口問題を抱えながら、大規模な移民受け入れに難色を示す日本は、他国の新しい労働力に活路を見出さざるを得なくなる。日本の脆弱性については以前も触れたことがあるが、これまでのところ日本はわたしが予想したよりうまく対処しているようだ。しかしいずれ政策転換を迫られるだろう。(『100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』ジョージ・フリードマン:櫻井祐子訳)