教えてあげよう。人であれ、神であれ、何かの信条であれ、無条件に信じるのは、そりゃ精神の頽廃だぞ。だって、何かを信じるということは、その何かについて判断を放棄することだろうが。(『イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド小田嶋隆

宗教
買ってはいけない』が使ったトリックは、この一日摂取許容量の何百倍、何千倍というような量の食品添加物を食べさせた実験をもとに、極めて微量の使用を非難したものでした。(『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学松永和紀
 古代において、シャーマニズムや密教などの呪術がさかんだったのは、人知蒙昧のせいばかりではない。天災地変、飢饉、疫病などの恐怖からぬけだすのに、それ以外の防災手段を求めることができなかったからである。(『鎌倉佛教 親鸞と道元と日蓮戸頃重基

仏教
 これ(※OECDの試算)によれば、日本においては「社会の上位10%の富裕層」が「下位10%の層」の実に4.9倍の所得を得ていることになっています。(『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵北村慶
 実は「水子の祟り」などという考え方は、昔はなかったのだ。医療技術が進歩し、一部の人々が優生保護法のもとで妊娠中絶に安易に走るようになってから広まったものだ。(『霊はあるか 科学の視点から安斎育郎

科学
 旅は結婚に似ている。コントロールしようというのが間違いのもとなのだ。(『チャーリーとの旅ジョン・スタインベック:竹内真訳)
 本が面白く読めたというのは、本を読んだのではなく、本で世の中が、世の中を見る自分が読めたということです。逆にいえば、世の中を読むという操作のなかで始めて本は読めるわけですね。(『社会認識の歩み内田義彦
 革命はいつでも突然起こるというものではないし、釣りあいのとれた叙事詩でもない。特に、それが観念の革命である場合には。(『黒体と量子猫 ワンダフルな物理史ジェニファー・ウーレット:尾之上俊彦、飯泉恵美子、福田実訳)

科学
 ところでモノとサービスと言いますが、モノとサービスの違いはなにか? 税関を通るか、通らないかだけの差なんですよね。モノは税関を通るがサービスというのは税関を通らない。(『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義藤巻健史
 自閉症児の本質は、〈私〉としての自己を他者に対して定位することのできない存在構造にある。(『自閉症の子どもたち 心は本当に閉ざされているのか酒木保
 寿命心臓の鼓動時間で割ってみよう。そうすると哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つという計算になる。寿命を呼吸する時間で割れば、一生の間に約5億回、息をスーハーと繰り返す計算できる。(『ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学本川達雄
 戦略の誤りは戦術では補えないといいます。(『目からウロコのカウンセリング革命 メッセージコントロールという発想下園壮太

カウンセリング
 そして監獄の中で自分自身を居心地よくさせることに成功する人のことを私たちは「成功者」と呼び、一方、監獄の中で負ける人のことを「失敗者」と呼ぶのです。が、成功も失敗もともに監獄の壁の内側でのことなのです。(『片隅からの自由 クリシュナムルティに学ぶJ・クリシュナムルティ:大野純一著編訳)
「神についての思索を表現しない方程式は僕にとっては無価値である」(ラマヌジャン
(『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャンロバート・カニーゲル田中靖夫訳)

数学
 祖国とは国語である。ユダヤ民族は2000年以上も流浪しながら、ヘブライ語を失わなかったから、20世紀になって再び建国することができた。(『祖国とは国語藤原正彦
 私たちは、自然界の生物は幸せで健康なものだと考えたがるが、自然淘汰は、私たちの幸福には微塵も関心がなく、遺伝子の利益になるときだけ、健康を促進するのである。(『病気はなぜ、あるのか 進化医学による新しい理解』ランドルフ・M・ネシー、ジョージ・C・ウィリアムズ:長谷川眞理子訳)
 これらの数字をもとに計算すると、可能性のある脳の状態――理論的に可能な活動性の順列と組みあわせの数――は全宇宙の素粒子の数を超える。(『脳のなかの幽霊V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー:山下篤子訳)

脳科学デイヴィッド・イーグルマン
 官制経済体制とは、中央集権、官僚制、計画経済、そして閉鎖財政(国民に見えない財産)を基本構造とする国家の類型である。官制経済体制の下では基本的に経済は権力に従属するため、本来の経済(=市場)は失われる。(『日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!石井紘基
 すべての人間は、怠け者か、怠け者志願者である――サミュエル・ジョンソン
(『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たちトム・ルッツ:小澤英実、篠儀直子訳)
 道徳的無力感を生む近道は、あいまいな表現で物事を考慮することだ。(『ギャンブルトレーダー ポーカーで分かる相場と金融の心理学アーロン・ブラウン:櫻井祐子訳)

トレーダー
 バーカウンターの奥に並ぶ琥珀色のボトルに目をやった。どのラベルも仰々しいのは、忘却を求める者にとってはそれが恰好の口実を与えてくれるからだ。(『メービウスの環ロバート・ラドラム:山本光伸訳)
 あなたの価値は、「葬儀費用+慰謝料+逸失利益〔(自殺前1年間の年収)×(1-生活費控除率)×(67歳-現在の年齢に対応する中間控除率)〕+弁護士費用-過失相殺額」だ。(『自殺のコスト雨宮処凛

自殺
 幾多の激震を繰り返したバブルの人類史は、19世紀後半にイギリスの株式会社制度に結実した。この間のリスクとの戦いは一方で数学を発展させ、一方で株式会社の有限責任制度を生み出した。ここには常に、リスクとの知的な戦いがあった。(『投機学入門 不滅の相場常勝哲学山崎和邦
 図は日蓮の神国王御書の中の〈蓮〉。猛烈な速度で次々と言葉が溢れ出てくる。それを書きとどめんとして、筆はとてつもない速度で回転、連続する、熱狂の書。(『一日一書石川九楊
「わたしが、がんでよかった、っていったの。ほんと、ママが、がんじゃなくてよかった。ママが、がんになったら、わたし、つらくて、生きていけなくなってしまう。でも、わたしだったら、がんなんかに負けないもの」(『いのちの作文 難病の少女からのメッセージ綾野まさる猿渡瞳
 それはかつて私たちの国では、「恋」とか「愛」とか、あるいは「情」とか「色」とかいったことばで語られたのである。が、「恋愛」ではなかった。(『翻訳語成立事情柳父章
 ナショナリズムは一種のウイルスなんです。近代以降、このウイルスが人類に蔓延している。高度に産業が発達した国家に生きている国民で、ナショナリズムというウイルスに感染していない人はほとんどいません。(『国家の自縛佐藤優
岡●私の申したいことは、たとえば人が立とうという気持で立ちましょう。それは筋肉運動ではありますが、気持次第で千差万別の立ち方がありますね。そういうことを何がさせているかということが、実は一つもわかっていない。(『人間の建設小林秀雄岡潔

数学
 臨床心理士は「人間の心は究極的にはわからない」ことをよく知っている人なのです。だからこそ、プロの聞き手なのです。(『プロカウンセラーの聞く技術東山紘久

カウンセリング
 ──名嘉真や張とリングを離れてのつき合いは?
「まったくありません。試合の前後、口をきいたこともない。でも、あの二人には、できれば生涯の友人になってほしい、とぼくは思っているのです」(大橋秀行)
(『彼らの誇りと勇気について 「感情的ボクシング論」佐瀬稔

ボクシング
 優秀なリーダーかどうかは、情報空間をいかに高い視点から俯瞰できるか、にかかっているのです。(『心の操縦術 真実のリーダーとマインドオペレーション苫米地英人
 人間の意識は、「私」に中心化された形でしか、空間を経験できないのである。(『脳と仮想茂木健一郎

脳科学
 タントリズムにあっては、すべてがシンボルに置きかえられる。世界も仏もシンボルとなる。シンボルあるいは記号の集積の中で、タントリズムの儀礼あるいは実践が行われるのである。(『はじめてのインド哲学立川武蔵

哲学
 原子を一定の率で拡大して描く場合、原子核を1センチとすると、電子は髪の毛1本の直径にも満たず、原子全体の直径はサッカー場の長いほうを横にして30面並べた長さを超える。そしてその間には何も存在しないのだ。(『本当にあった嘘のような話マーティン・プリマー、ブライアン・キング:有沢善樹訳)
 体験は個のレベルで解体し、検証せよ。そして可能なら脱構築して再生せよ。(『無境界の人森巣博
 この作品(『妖怪人間ベム』)には、「早くアメリカの白人なみになりたい」という当時の日本人、とくに子どもたちの屈折した欲望が、「早く人間になりたーい」妖怪人間たちの願望として、デフォルメされて描かれていたように思われる。(『男らしさという病? ポップ・カルチャーの新・男性学熊田一雄
 捕まったソ連兵はどうやって殺されるか。まず、ナイフで両目をえぐられる。それから耳ちょん切って、両手両足ちょん切って、それで急所をえぐりとって、生きたまま道路に投げて置くんです。その兵隊は発見されても、もう助かりはしない。(『国家の崩壊佐藤優宮崎学
(※福島県)浜通りでは70年代から通称“TCIA”(東電CIA)が暗躍。原発反対派の集会では車のナンバーを調べ、選挙では反対派候補の家や事務所に出入りする住民のをチェックする。(『東京電力 暗黒の帝国恩田勝亘
 イスラム兵士として戦った兄弟にサラエボの町であった。無精(ぶしょう)ひげを蓄えた兄は、紛争時、極度の食糧不足の中で、革靴や皮のベルトを煮て食べたという。(『この大地に命与えられし者たちへ』写真・文 桃井和馬
 この世はいやしさにみちている。徹底して不正で、邪悪で、卑劣きわまるいやしさずくめ。そして誰もがこのいやしさに関与している。ひとり残らず、全員がそうなんだ。(『ゾマーさんのことパトリック・ジュースキント:池内紀訳)
 段階をうまく踏むことができたときには、非常に深く集中できる。これ以上集中すると「もう元に戻れなくなってしまうのでは」と、ゾッとするような恐怖感に襲われることもある。(『決断力羽生善治

将棋
 社内主義とは、社員が主として社内を向いており、その結果として過度の社内サービス、内部調整、人脈づくり、社内情報収集などが起こり、付加価値創造に結びつかないエネルギーが過剰に費やされる状態である。(『スーパーサラリーマンは社外をめざす西山昭彦
 西暦1700年か、あるいはさらに遅くまで、イギリスにはクラフト(技能)という言葉がなく、ミステリー(秘伝)なる言葉を使っていた。技能をもつ者はその秘密の保持を義務づけられ、技能は徒弟にならなければ手に入らなかった。(『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するかP・F・ドラッカー上田惇生訳)
 イッサ(※=イエス)はひそかに父の家を離れてエルサレムに行き、東へ向かう隊商らとともに旅し、「神のことば」に生きる自らを完成させるため、偉大な仏たちの法を学ぼうとした。(『イエスの失われた十七年エリザベス・クレア・プロフェット:下野博訳)

キリスト教堀堅士
 サルは非辺縁系の感覚を二つ、連合させることができない。人間はそれができる。そしてそれが、ものに名前をつけ、より上位の抽象化のレベルを進んでいく能力の基盤となっているのだ。(『共感覚者の驚くべき日常 形を味わう人、色を聴く人リチャード・E・シトーウィック:山下篤子訳)

脳科学共感覚
 瞑想とは
 あるがままに ものを見ることであり
 それを超えていくことです
(『瞑想J・クリシュナムルティ:中川吉晴訳)
「言葉は極めて重要だ。そして銃器のように危険でもある。私は記者を観察している。このメディアは正しい質問をしているのか。ジェフを応援しているのか。そうでないのか。新聞記者は戦争を始めることができる。意図を持てば世の中を危険な方向に導けるのだから。ユーゴの戦争だってそこから始まった部分がある」(『オシムの言葉木村元彦

イビチャ・オシム
 私が真理を発見したのではない。真理が長い間の隠蔽(いんぺい)に耐えかねて、私に語りかけてきたのである。(『隠された十字架 法隆寺論梅原猛
 ユダヤ人は着ているものに黄色い星のワッペンを縫い付けるように命令された。そうすれば、すぐに見分けがつくからだ。するとデンマークの市民は誰もがただちに黄色い星を縫い付けた。ユダヤ人を救い、自分たちもファシストにならないために、国王も国民の行動を支持した。(『プーチニズム 報道されないロシアの現実アンナ・ポリトコフスカヤ:鍛原多惠子訳)

ロシア
 物事について徹底的に考え始めたらすぐにも、我々は誰に、あるいは何に従うべきかという命題をさしおいて、根本的な問題は他にないことが明々白々になるはずである。(『日本/権力構造の謎カレル・ヴァン・ウォルフレン
 チルチルとミチルがお家の中で遊んでいると、ふらんすからごーんという名前のおじさんがやってきて、青い鳥を焼き鳥にして食ってしまうのである。この場合、青い鳥は何の象徴だろう? ブルーバード? ははは。違うね。ブルーカラーに決まってるだろ。(『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997‐2003小田嶋隆
 もっとも、けた外れに巨大な建造物は、往々にして人間の不安の度をなによりも如実に写しているものなのです。要塞の建設を見るとはっきりとわかります(『アウステルリッツW・G・ゼーバルト:鈴木仁子訳)
 ふとバーナード・ショーの格言が頭に浮かんできました。「できる者は行い、できない者はできない者に教える」(『改訂版 不動産投資の破壊的成功法金森重樹
 今、NHKの番組制作の現場に、全盲の職員は一人もいません。ラジオ第2放送の「視覚障害者の皆さんへ」という番組ですら、関わっている視覚障害者は全て外部の人たちです。(『怒りの川田さん 全盲だから見えた日本のリアル川田隆一
 むしろ同居の中で、信頼する身内から理解されず、冷たく疎外されているわびしさこそが、老人にとって耐えられない孤独だった。これが一番の自殺動機になっていたことを見逃すことはできない。(『自殺死体の叫び上野正彦
 私は一つの考えを思いつき、それを実行した。私は娘を裸にして強姦し、その後、庖丁で刺し殺し、手早く肉を全部切り取った。それを動物の肉のように見せかけて盛り上げ、指揮班を通じて全員に配給したのである。(『戦争と罪責野田正彰

戦争
 つまり、身体的に「自己」を規定しているのは免疫系であって、脳ではないのである。脳は免疫系を拒絶できないが、免疫系は脳を異物として拒絶したのである。(『免疫の意味論多田富雄
 人間は塀の外で自由に暮らしているときには、自分のことをふり返ってみないし、わかろうとしない。自分の中にもうひとりの自分がいて酷使されていたり、粗末にされていても気がつかない。(『アメリカ重犯罪刑務所 麻薬王になった日本人の獄中記丸山隆三
 たとえば、本部長や大阪の中心地の警察署長が転勤するときには、当時で2000万円から3000万円の餞別が地元の有力業者から贈られる。それが慣習になっていた。2000万、3000万といえば、警察署長の退職金に相当する。(『反転 闇社会の守護神と呼ばれて田中森一

検察
 密教は仏教のみに生まれたものではなく、ヒンドゥー教、ジャイナ教においても生まれた運動であるが、仏教密教仏教密教)に限っていうならば、大乗仏教において密教は生まれた。(『最澄と空海 日本仏教思想の誕生立川武蔵

最澄空海
「モノの消費(食物など)→エネルギーの消費(電力・ガスなど)→情報の消費(デザイン、本、ブランド)→ケアの消費」ということが、いわば重層的に積み重なった社会として、現代という時代をとらえることができるのではないだろうか。(『ケアを問いなおす 「深層の時間」と高齢化社会広井良典
 本当か嘘か知らないが、今から何十年後の日本では60歳以上の老人が全人口の80パーセントを占めるという。つまり一人の若者のまわりを4人の老人が取り囲んでしまう社会が現出する。(『恍惚の人有吉佐和子、1972年発行)
 呉子曰く、「凡そ兵戦(へいせん)の場は、屍(しかばね)を止むるの地、死を必(ひつ)とすればすなわち生き、生を幸(さいわい)とすれば則ち死す」

 呉子はいわれた。「戦場とは屍(しかばね)をさらすところだ。死を覚悟すれば、生きのびることもできるが、生きながらえようと望んでいると、逆に死をまねくことになる。

(『呉子尾崎秀樹訳)

呉子呉起
岸田●私はよく言うんですが、日本のテレビ番組の時代劇は水戸黄門とか、遠山金四郎とか、権力側の代表者が最後に出てきて事件を解決するという筋書きになっているのが多い。悪代官がいて悪いことをしている、そこに水戸黄門が出てきて解決する。村の人たちが怒って団結し、悪代官をやっつけたという時代劇がないんですね(笑)。だから国民の側に、全知全能の立派な為政者にすべてを任せれば、うまくやってくれるという期待があるんじゃないか。(『ものぐさ社会論 岸田秀対談集岸田秀
「聞く技術」というものがあります。本当に相手の言葉を聞くためには、あらゆる偏見や、前もって公式化されたものや、日常の生活の問題などを捨ててしまうか、脇へ片づけておかなければなりません。(『自我の終焉 絶対自由への道J・クリシュナムルティ
 彼は、世に聞こえた一部の先輩たちと同様に、犯罪者が知性を備えていたら、恐らく人を殺す必要なぞなかっただろうに、という主張を持っていた。(『メグレ罠を張る』ジョルジュ・シムノン)
「あんたが投げだしたら、その途端にあんたは負ける。あんたが投げだしたら、あんたについてきた他の連中が幾人か死ぬかもしれない。希望を捨てることは人の命を奪うことなんだ」(『遙かなるセントラルパーク』トム・マクナブ)
 小泉三申は、小学校を卒業しても、進学は許されなかった。村には漢学塾があったが、一ヶ月十銭の謝礼がはらえない。他家の子守にやとわれた三申は、子供を背中におぶさったまま塾の庭に立ち、もれ聞こえる講義の声を聞いて自分の血肉とした。(『出世を急がぬ男たち』小島直記)
「無責任なことをいっちゃいけないよ。考えついたり、真似ごとをするのと、本当にやり通すのとは全然違う。あの人はそれをやったのじゃ。あんたはやっとらん。わしもしとらん。そこがだいじじゃ」(『通りすぎた奴』眉村卓)
 どうして落ち込まないか。はっきり目的があるからだよ。(『成りあがり How to be BIG 矢沢永吉激論集』矢沢永吉)
 人間が人間として生きなかったということぐらい、恥ずかしいことはありますまい。松の木は松の木としてのびていきます。ライオンは一生ライオンの声を失いません。しかるに人間が人間らしく生きなかったということは、金銭登録器のような生活しかしなかったということは、人間としてこれ以上の恥辱はないと思います。(※銀行員だった父・義平の遺書)
(『真実一路』山本有三)
 同じ夜に何千人死のうと、人はただひとりで死んでゆく。(『人間臨終図巻山田風太郎

生死
 ただ一つ、並外れて優秀なマネジャーには共通点がある。それは、新しく何かを始めようとするときに、まず、伝統的常識であるはずのルールをことごとく打ち破っているということだ。(『まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違うマーカス・バッキンガム&カート・コフマン:宮本喜一訳)
 集中とは、孤独・内閉に向かう力だ。(『集中力がつく本 頭脳効果を最大限に発揮する心理テクニック多湖輝
 ある治療が科学的であるためには、思想ではなく理論が不可欠である。なぜなら、思想は方法論を規定しないが、理論は方法論を規定するからである。(『リハビリテーション・ルネサンス 心と脳と身体の回復、認知運動療法の挑戦宮本省三

リハビリ
 炊事が奇しくも分けられた
 女の役目であったのは
 不幸なこととは思われない、
 そのために知識や、世間での地位が
 たちおくれたとしても
 おそくはない
 私たちの前にあるものは
 鍋とお釜と、燃える火と

 それらなつかしい器物の前で
 お芋や、肉を料理するように
 深い思いをこめて
 政治や経済や文学も勉強しよう、

 それはおごりや栄達のためでなく
 全部が
 人間のために供せられるように
 全部が愛情の対象あって励むように。

(『石垣りん詩集石垣りん

詩歌
 私が問いたいのは死者たちの存在性格である。われわれは死者たちを思う。思うことは歴とした経験であろう。そして経験できるということは、死者たちが何らかの様式で存在するということにほかならない。(『死と狂気 死者の発見渡辺哲夫
 生きるということは結局、一方では絶えず部分的には死んでいくものであり、一方では絶えず新しくつくられているものがあるからこそ生きているわけで、健常な人間の体の部分もそのようなことを行っている。(『リハビリテーション 新しい生き方を創る医学上田敏

リハビリ
 ここまで言えば、ルソーが「抽籤による選任法は民主政の本質にかなう」と考えた理由は、もはや説明するまでもあるまい。全有権者(母集団)の縮図は、無作為抽出(ランダムサンプリング)によって構成する以外にはないのである。(『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう薬師院仁志

民主主義
「だから、ぼくの人生がどこに向かって行くのか、それは戦争の状況しだいなんだ。それに望みをかけるしかないんだ。
 希望は……もちろんある。残念ながら、映画の中で描かれたような恋も友情も、実際に経験することはできなかった。でも、いつになるかわからないけれど、今後、人を愛せるのなら、そういう能力がまだ残っているのなら、誰かを愛したいと思う。一番大切なことは、何が起ころうとも『人間』でいることだ。『人間』であり続けることだ……」
 17歳とは思えないドラシュコのこの成熟ぶりは何なのだろう。まるで「思春期」の原作者、詩人ブランコ・チョピッチが、ドラシュコの口を借りて何かを必死に伝えようとしているかのようだ。
(『失われた思春期 祖国を追われた子どもたち サラエボからのメッセージ堅達京子

サラエボ
 また、裁判の現場に広がっていた相場主義が、被害者の心をずいぶんと踏みにじってきました。相場主義というのは刑の重さが相場で決まるということです。(『裁判官が見た光市母子殺害事件 天網恢恢 疎にして逃さず井上薫
「世界中で、毎日毎日、政府や武装政治集団の手により、男性や女性や子どもが、家を追われ、拷問を受け、殺害され、失踪している。多くの場合、アメリカはその責任の一端を担っている」(アムネスティ・インターナショナル)
(『世界反米ジョーク集』早坂隆)
 ヒトラーとユダヤ系銀行の交渉は、値段で折り合いがつかずに失敗し、ヒトラーはユダヤ人問題に対して、もうひとつの「解決」を実行することにした。それがユダヤ人絶滅策である。(『新版 リウスのパレスチナ問題入門エドワルド・デル・リウス:山崎カヲル訳)

パレスチナ
 当時からCIAは国費を使って世界各国の新聞社や広告会社を買収し、運営していた。かくしてCIA局員はこれらの会社を隠れ蓑として、会社の従業員という肩書きで活動しているのだ。(『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」有馬哲夫

テレビ
 才能は静けさの中で作られ、性格は激流の中で作られる。(『ゲーテ格言集ゲーテ:高橋健二訳)
 資本主義民主主義の根源は、迎合にあるのだ。どちらも迎合なくして運営できない。商品生産者は消費者にへつらい、あらゆる政治家は地元の選挙民にへつらう。(『おテレビ様と日本人林秀彦

テレビ
 歴史が教えるところによれば、世の中を誤まらせるのは、狡猾な悪人ではなく、確信犯の善人なのだ。(『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ小田嶋隆
 表現するとは、当たり前にできること、当たり前にあることを大切にすること、それは、
 見事な笑顔。
 見事な挨拶。
 見事なありがとう。
 見事な見送り。
 見事な歩き方。
 見事な握手。
 見事な立ち方。
 見事な……。
(『世界に一つだけのギフト』平野秀典)
「空」とはこのように、否定作業によって自己が新しくよみがえるというプロセスの原動力である。(『空の思想史 原始仏教から日本近代へ立川武蔵

仏教
 叡山では、稚児との情交の道――これを衆道(しゅどう)といった――を悟りへの近道と口伝し、平安の昔から連綿と伝承してきた。(『性愛術の本 房中術と秘密のヨーガ』)

性愛術
 人間の能力は、年ごろになって自然と顔にあらわれてくるにきびのごとく、放っておいても出てくるという性質のものではない。放置しておけば、あるいは終生、自他ともに認めないまま、体内に潜伏したままであるかもしれないのである。(『政治を考える指標辻清明

政治
「こいつが何か言ったら」メイジャーが言った。「それは真実だ」
「あんたがそう言うなら」ヤンがメイジャーに言った。
「信じろ。こいつが何か言ったら、おまえはそれをチャチャ・ファースト・ナショナル銀行に持っていって預けられる」
 ヤンはうなずいた。
(『スクール・デイズロバート・B・パーカー:加賀山卓朗訳)
 だが日蓮の言動に興味を抱いていた時頼は早速に目を通した。そして衝撃に襲われたのである。問答仕立てゆえに読みやすく、論旨も明快であるが、中身はすこぶる深い。おなじ僧の身なのでそれがよく分かる。〈こんな者がこの世に居たとは……〉(『時宗高橋克彦
 哲学の世界では、17世紀にデカルトが現れ、「我思う故に我あり」と主張して、根本原理を神から人間の世界へと引き下ろした。(『日本仏教史 思想史としてのアプローチ末木文美士

仏教
 歴史というのは、過去の出来事にとどまらず、現在に連なり、現在を絶えずつくり出している力ですから、結論的にいえば「文体(スタイル)の積畳である」と私は定義したいと思います。(『漢字がつくった東アジア石川九楊
 その空しさは、おそらく、生き方を問う必要すら感じさせなくなってしまった豊かな社会そのものに対する一種の裏切られたような気分なのではあるまいか。(『生き方の研究森本哲郎
〈善性〉は自由のなかでのみ開花することができます。どのようなかたちであっても、説得の土壌や強制のもとでは花開くことはありません。またそれは報酬の結果でもありません。(『学校への手紙J・クリシュナムルティ
 真の権威は、権威主義の異臭を放たぬものである。(『権威主義の正体岡本浩一
 相関関係がいかに強くてもそれがそのまま因果関係とならないことを、たいていの人は知っている。ところがこの事実は容易に忘れられる。(『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の科学と虚構エリオット・S・ヴァレンスタイン:中塚公子訳)

精神疾患
 平公は師曠(しこう)の諌言に耳をかさず、石がものをいったという怪事を軽視して、豪華な宮殿を完成させた。が、そのことから晋の君主の権威はめだっておとろえるようになった。(『春秋の色宮城谷昌光
「このような略奪行為が民主主義の名においておこなわれ、これらの行為をするソ連が民主主義者であると称するならば、私は民主主義者を放棄する」(菅季治)
(『内なるシベリア抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史多田茂治

シベリア抑留強制収容所
 人が革命家になるのは決して容易ではないが、必ずしも不可能ではない。しかし、革命家であり続けることは、歴史の上に革命家として現れながらも暴君として消えた多くの例に徴するまでもなく、きわめて困難なことであり、さらにいえば革命家として純粋に死ぬことはよりいっそう困難なことである。(『チェ・ゲバラ伝三好徹

ゲバラ
 高山病は何世紀も前から知られていた。昔の人にとっては謎の病気であり、神の住む場所だから人間は気が狂うのだとか、山の植物が毒を発散しているせいだとか考えられていた。(『人間はどこまで耐えられるのかフランセス・アッシュクロフト:矢羽野薫訳)

宗教
 これらの実験は、IDS(※赤ちゃんことば)では“メロディがメッセージである”こと、つまり、韻律だけで話者の意図をくみ取れることを示している。そのメッセージがなんであれ、子どもにとっては良いものであるらしい。(『歌うネアンデルタール 音楽と言語から見るヒトの進化スティーヴン・ミズン:熊谷淳子訳)
 誰もが一つの現実しか見ていないということは、見られることのない多くの事実が存在することを意味する。(『ドラッカー入門 万人のための帝王学を求めて上田惇生
 たぶん、この世界には隠れているもの、見えないものがいっぱいあるんだろう。虹のように、ほんのちょっとしたことで姿を現してくれるものもあれば、長くてつらい道のりの果てに、やっと出会えるものもあるに違いない。(『夏の庭 The Friends湯本香樹実
 息子のハリードは足を撃たれました。まだ生きていたので、私は助けにいこうとしました。けれども私の目の前で、戦車が彼を轢いていきました。頭や顔や胸はすべて潰れ、道には跡形も残りませんでした。(『「パレスチナが見たい」森沢典子

パレスチナ
 ひとりの病む幼女に出会った。ナディアという名のその子を、看護に疲れきった母親から抱きとったとたん、羽毛のような軽さにどきっとした。緊急手配をした医者は間にあわず、ナディアは、私に抱かれたまま、静かに息をひきとった。(『国をつくるという仕事西水美恵子
 つまり、連合型失認の患者は、視覚体験は問題ないが、その体験に意味を付与することができない。これがどのようなものかを想像するには、ふつうの西洋人が漢字を前にしてどう感じるかを考えてみてほしい。(『もうひとつの視覚 〈見えない視覚〉はどのように発見されたか』メルヴィン・グッデイル、デイヴィッド・ミルナー:鈴木光太郎、工藤信雄訳)
 夢は、高くつくものだ。それが悪夢であるにしろ。(『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ小田嶋隆
 異なった文化を享受(きょうじゅ)するためには、異なった文化を理解しなければなりません。芸術とは、はっきりいいますが、つくるにせよ、享受するにせよ、きわめて思想的なことなのです。(『イメージを読む 美術史入門若桑みどり