2012-01-09

言語能力は脳機能の一部にすぎない

 分離脳の患者のこのような検査から、言語は知的機能の一つにすぎないとわかる。私たちは長いあいだ、人間が言葉を話せるというただそれだけの理由で、言語が最高の能力であると傲慢に決めつけていた。しかし言語は数ある能力の一つにすぎないとわかった。私たちの理解や行動にかかわる能力のすべてが、言語とつながっている、あるいは言語で表現できるわけではないのだ。これは自分の個人的知識のなかに、内的思考さえも立ち入れない部分があるという意味だ。おそらくこれが原因で、人間はしばしば自分自身と争うのだろう。頭のなかでは、意識が知りえないことも、起こっているからだ。

【『共感覚者の驚くべき日常 形を味わう人、色を聴く人』リチャード・E・シトーウィック:山下篤子訳(草思社、2002年)】


共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人

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