「それは激化ということだ。“二つの極”はますます進む。1989年以後、人間はごく少数の新しいタイプの支配者たちと、ひじょうに多数の、新しいタイプの被支配者とに、ますます分かれていく。
 一方は、すべてを操り、従える者。他方は、知らず識(し)らずのうちに、すべてを操られ、従わされる者たち。しかも進むのはそれだけじゃない」
(『1999年以後 ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図五島勉

ヒトラー
 平常時の里の音のなり立ちを情報構造の面からみると、木々の葉ずれやざわめき、そして持続的な虫の音などが、具象性と時間的連続性の高い音のベースラインを形成する。その一方で、鳴きかわす鳥の声や断続性の虫の音などが象徴性の音像をかたちづくるほか、人間たちの言葉や音楽などが連節性の音をつくり出し、これらの勢力が時とともに遷移しながら、里の音固有の世界を形成している。(『音と文明 音の環境学ことはじめ大橋力
 特に行政用語には、用心深くも、皮肉たっぷりな婉曲法が用いられていた。たとえば「虐殺」と言わずに「最終的解決」と言っていた。「流刑」ではなく「移動」であり、「ガスによる殺戮」ではなく「特殊処置」といった具合だった。(『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察プリーモ・レーヴィ:竹山博英訳)

ナチス強制収容所
 君子は、つねに自己革新をはかって成長を遂げていく。小人は、表面だけは改めるが、本質にはなんの変化もない。

 君子は豹変し、小人(しょうじん)は面(おもて)を革(あらた)む――『易経』革卦(かくか)

(『中国古典 リーダーの心得帖 名著から選んだ100の至言守屋洋
佐藤優井筒俊彦は天才ですよ。

関岡●慶應の東洋史学科にはアラビア史専攻の前嶋信次もいましたが、井筒俊彦も前嶋信次も慶應が生んだのではなく、東亜経済調査会の「大川(周明)塾」に育てられたんですよ。

(『アメリカの日本改造計画 マスコミが書けない「日米論」関岡英之、イーストプレス特別取材班編)
水野●そこが重要なところで、先進国は交易条件が悪化したことで、実物経済では稼げなくなってしまった。そこで金融に儲け口をみいだしていくようになったわけです。(『超マクロ展望 世界経済の真実水野和夫萱野稔人
 どんな社会にも盲点がある。直視することが非常にむずかしい側面、と言い換えてもよい。今日の盲点は殺人であり、1世紀前には性だった。(『戦争における「人殺し」の心理学デーヴ・グロスマン:安原和見訳)

戦争
 言語が考えを伝えるシステムであるのと同じく、宗教行動は共通の価値と感情を伝えるシステムである。(『宗教を生みだす本能 進化論からみたヒトと信仰ニコラス・ウェイド:依田卓巳訳)

科学と宗教
 ホワイト・アンテロープのなきがらを、彼等はあらそって切りきざんだ。スカルプ(※頭皮)はもちろん、耳、鼻、指も切りとられた。睾丸部を切りとった兵士は、煙草入れにするのだと叫んだ。それらの行為は女、子供にもおよんだ。女陰を切取って帽子につける者もいた。乳房をボールのように投げ合う兵士もいた。大人達の死体の山からはい出た3歳くらいの童子は、たちまち射撃の腕前をきそう、好個の標的となった。(『アメリカ・インディアン悲史藤永茂

インディアンアメリカキリスト教
 8世紀に鐙(あぶみ)がフランク族の間で一般に用いられるようになると、馬は機動性のためばかりでなく戦闘のためにも使われるようになった。(『ヨーロッパ史における戦争マイケル・ハワード:奥村房夫、奥村大作訳)

戦争
 金をもっているものが成功者として尊敬されるということは、金をもっていないものが人生の失敗者として軽蔑されることを意味することになる。(『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』〈『生活の世界歴史 9 新大陸に生きる』改題〉猿谷要

アメリカ
 遺伝子組み換え作物の開発全体が、多国籍アグリビジネスであることはもはや周知の事実。1980年代から…多国籍化学企業によるM&Aが進み、モンサント、デュポン、シンジェンダ、アベンティスの4社でシェアのほぼ100%を寡占している状態だ。(『面白いほどよくわかる 「タブー」の世界地図 マフィア、原理主義から黒幕まで、世界を牛耳るタブー勢力の全貌世界情勢を読む会編著)
 心に哀しき憧れを抱け。
 決してあきらめず、決して希望を失うな。
 アラーいわく「我は打ちのめされた者を愛する」。
 傷つくがいい。打ちのめされるがいい。
  ――シャイフ・アブ・サイード・アビル・ヘイル

(『スリー・カップス・オブ・ティー 1杯目はよそ者、2杯目はお客、3杯目は家族』グレッグ・モーテンソン、デイヴィッド・オリヴァー・レーリン)
 そこまでいった晏嬰(あんえい)の声がさらに深くなった。「豊かさ、楽しさ、侈(おご)り、遊びは、聖者と死者を同時にあなどることになるのです」(『晏子宮城谷昌光
 このときの表情に凛乎(りんこ)たる信念があることに、おどろいたであろう。晏嬰(あんえい)はむしろこのときを待っていたのである。「恐れながら申し上げます」。重苦しい空気をやぶるように溌剌(はつらつ)と声があがった。(『晏子宮城谷昌光
 無益なことは、かならずしも無意味ではない。むなしいとおもわれることに、真剣にとりくむことによって、かえってその人の純粋さが、如実にあらわれることがある。(『晏子宮城谷昌光
「正すということは殺すこととおなじではありません。正さずして殺せば、遺恨が生じます。遺恨のある民を十たび伐(う)てば、遺恨は十倍します。そうではなく、将軍は君公の徳を奉じ、君公の徳をもって蒙(くら)さを照らせば、おのずとその地は平らぎ、民は心服いたしましょう。真に征すということは、その字の通り、行って正すということです。どうして武が要りましょうか」(『晏子宮城谷昌光
 日本語と再び出会うことができたのに、「言葉」が伝わらない。故郷さえ捨てざるを得ないほどの、戦後社会との深い断絶。その裂け目から、「詩人石原吉郎」は誕生した。(『シベリア抑留とは何だったのか 詩人・石原吉郎のみちのり畑谷史代

詩歌シベリア抑留強制収容所
 傍目からはなかなか判断できませんが、それぞれの段階の悟りを開いた人は、自分では自分がどの段階に悟ったか、よくわかるようです。それだけ明確な悟りの「体験」と、それによる心の変化が、悟りの各段階にあるからです。(『悟りの階梯 テーラワーダ仏教が明かす悟りの構造』藤本晃)

仏教
 すなわち、ローマの玉座がキリスト教になり、〈教会〉が権力になったということである。もしコンスタンティヌスがなかったなら、キリスト教はひとつの前衛的宗派にとどまっていたことだろう。(『「私たちの世界」がキリスト教になったとき コンスタンティヌスという男』ポール・ヴェーヌ:西永良成、渡名喜庸哲訳)
津田●【解釈する】とは、自らの生(レーベン)の可能性を探ること(以下略)
(『反密教学』津田真一)
「子供には母親が必要だ」
「選挙に出たらどうだ。家族の価値を謳うのはいまのはやりだからな。来るべき千年紀やらなにやらとおなじで」
(『奪回者グレッグ・ルッカ
 私は彼から目をそらすことができなかった。少年は気を付けの姿勢で、じっと前を見つづけた。一度も焼かれる弟に目を落とすことはない。軍人も顔負けの見事な直立不動の姿勢で弟を見送ったのだ。(『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録ジョー・オダネル

戦争原爆
「みにくく、顔をそむけさせる、おそろしいもの、それこそが戦争ではないか。ポルノグラフィーを排斥する偽善者どもは、戦争に賛成しているのだ」と彼はことばを結んだ。(『フランス版 愛の公開状 妻に捧げる十九章』ジョルジュ・ヴォランスキー)
 この実験(サミュエル・ゴスリング)から、一面識もない人物のことを15分間部屋を観察しただけで、長年の知りあいよりも理解できるものだということがわかる。(『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しいマルコム・グラッドウェル:高橋啓訳)

ネットワーク科学
 アメリカ国民は、ある意味で、虎にまたがった国民になりつつある。彼らはますます消費することを学ばなければならない。さもないと、彼らの巨大な経済のからくりが、彼らに刃向い、彼らをむさぼり食らうかもしれないと警告されているのである。彼らは、もっともっと個人としての消費を高めるように要求され、しむけられなければならない。それは、彼らが商品にたいして差し迫った要求をもっているかどうかには関係ない。日に日に拡大する経済が、それを要求するのである。(『浪費をつくり出す人々ヴァンス・パッカード:南博、石川弘義訳)

浪費
(※世界貿易センター爆破事件、1993年)人々は異常なほどのろのろと動いた。爆発から10時間たっても、まだオフィスから避難していない人たちを消防士は発見していた。(『生き残る判断 生き残れない行動』アマンダ・リプリー:岡真知子訳)

災害
 私たちの生き方では、政治の決め事は、いつも七代先の人々のことを念頭におきながら行なわれる。これからやってくる人々、まだ生まれていない世代の人々が、私たちよりも悪い世界で暮らしたりすることのないように、できればもっと良い世界に生まれてこられるように心を配るのが、私たちの仕事なのだ。私たちが母なる大地の上を歩くときに、いつも慎重に一歩一歩進むのは、これから生まれてくる世代の人々が、地面の下から私たちのことを見上げているからだ。私たちはそのことを、片時たりとも忘れない。――オレン・ライオンズ(オノンダーガ族)1990年
(『それでもあなたの道を行け インディアンが語るナチュラル・ウィズダム』ジョセフ・ブルチャック)

インディアン
【「呪的儀礼(じゅてきぎれい)を文字として形象化(けいしょうか)したものが漢字である」】(白川静
(『白川静の世界 漢字のものがたり』別冊太陽)
 彼らは、自分たちと意見が違う他者たちと共にこの惑星で暮らしていることを知っているのだが、その他者たちと対話したいとは思わない。彼らは、その他者たちの信用を失墜させたり、その他者たちを抑圧したり、殺そうとさえする。(『解明される宗教 進化論的アプローチ』ダニエル・C・デネット
:阿部文彦訳)
科学と宗教
 わたしは貧しく、そのうえ裸だ。
 だが、わたしは一族の酋長だ。
 富を欲しいとは思わないが
 子どもたちを正しく育てたいと思っている。
 富はわれらによいものをもたらさない。
 向こうの世界にもっていくことはできない。
 われらは富を欲しない。
 平和と愛を欲している。

 オグララ・スー族 酋長
 レッド・クラウド(マクピヤ=ルータ)〈19世紀後半〉

(『ネイティヴ・アメリカンの教え』写真=エドワード・S・カーティス

インディアン
 人生には本当は「今日」しかないのです。ですから、人生に失敗したくなければ今日に失敗してはいけません。今日に失敗しない人は、明日があったら明日も失敗しませんし、明後日があったら明後日も失敗しません。(『苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教法話3アルボムッレ・スマナサーラ

仏教
 集合知は会話によって導かれるが、それがもっとも強く意識されるのは、会話と会話のあいだに生じる沈黙においてである。(『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何かアラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン)
 この考え方が依拠している前提は、ポルノの視覚イメージが強制的なものとして作用し、この強制力によってポルノの描写内容が現実化されるということである。(『触発する言葉 言語・権力・行為体ジュディス・バトラー:竹村和子訳)
「だれかから魂を買おうというオファーを受けるのはどんな気持ちがあるだろうと常々思ってきたものだが」(『暗殺者(キラー)グレッグ・ルッカ
 私たちはあい変わらず以前と同じものを持ち、同じ搾取、同じ司祭、同じ組織宗教、同じ迷信、そして同じ階級闘争をかかえています。で、これらは私たちに自由を与えたでしょうか?(『自由とは何かJ・クリシュナムルティ:大野純一訳)
 近代社会を支えてきた科学の底が抜けた中、人々は失われた信頼や信用を埋め合わせるために、絶えず「信心」を作り出そうとする。「信心」は極めて強い「善意」と、表にせり出しにくい「不安」によって支えられている。そうであるが故に、例えば政治は、強いカリスマ性を持った「教祖」を待望するような形で、あるいは、よき社会を開くための分かりやすい「経典」や「迫害対象」を求めるような人々を動員する形で行われる。(『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』開沼博)
 私たちの祖先は資源が乏しく、集団どうしで依存し合っていたので、大規模な戦争をはじめたのは、定住して農業に手富を蓄積しだしてからだった。その富のおかげで、ほかの集団を攻撃することのメリットが増えた。(『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれることフランス・ドゥ・ヴァール
 なお、四姓の原語はヴァルナといって「色」を意味し、もともとは白色のアーリヤ人とそうでない非アーリヤ人を区別するために用いられたことばである。(『仏教とはなにか その思想を検証する』大正大学仏教学科編)

仏教
 一般的に、運動している物体や、相互作用する物体の場合、エネルギーと質量は比例しません。E=mc²は、まったく成り立たないのです。(『物質のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源』フランク・ウィルチェック)
 知識が前に進むのを止めようとしても無駄だ。知っているより知らない方がいいということは決してない。――エンリコ・フェルミ
(『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 フェルミのパラドックス』スティーヴン・ウェッブ)
 われわれ文明人の宗教にとつては第一義的に重要なものは教義であり、内的な信仰ないし【さとり】にあるのであるが、古代人にとつては逆に社会的歴史的に伝統化された儀式そのものに最大の意義があるのである。(『宗教批判 宗教とは何か』柳田謙十郎)
 彼ら(※キリスト教徒)は、誰が一太刀で体を真二つに斬れるかとか、誰が一撃のもとに首を斬り落とせるかとか、内蔵を破裂させることができるかとか言って賭をした。(『インディアスの破壊についての簡潔な報告ラス・カサス染田秀藤訳)

インディアン
 怒りとは人生を破壊する炎です。炎を消すためには水が必要です。(中略)怒りは思わぬ、ささいなことで点火されるので、日頃から心の井戸に水を溜めておくことが賢明です。(『怒り 心の炎の静め方ティク・ナット・ハン

仏教
 卑弥呼は「鬼道」を事とし、「男弟」がこれを補佐し、「婢千人」がその周辺に侍(はべ)るばかりでなく、「宮室・楼観・城柵、厳かに設け、常に人有り、兵を持して守衛す」るまさに初期王権の王者であったといってよい。(『古代日本のこころとかたち』上田正昭)
 立てた途端に終わっている問いは、本当は問いではない。(『哲学、脳を揺さぶる オートポイエーシスの練習問題』河本英夫)
法華経』はそれぞれの章で、また一つの章のなかでも異なった場面で、歴史的次元と本源的次元のあいだを行ったり来たりしている。(『法華経の省察 行動の扉をひらくティク・ナット・ハン

仏教
「頑張らない介護」こそ、私のめざすところです。(『カイゴッチ 38の心得 燃え尽きない介護生活のために』藤野ともね)

介護
 さいしょは吉田新聞にしよーとおもったけど、元気が出るよーに、ファイト新聞にきめました。よんだ人から、ほめられたり、えがおではなしをしてくれたら、わたしも元気になりました。(『宮城県気仙沼発! ファイト新聞』ファイト新聞社)
「さようなら、とこの国々の人々が別れにさいして口にのぼせる言葉は、もともと「そうならねばならぬのなら」という意味だとそのとき私は教えられた。「そうならねばならぬのなら」。なんという美しいあきらめの表現だろう。(『遠い朝の本たち』須賀敦子)
 日本における自動車通行のもっとも特徴的な点も一言にしていえば、歩行者のために存在していた道路に、歩行者の権利を侵害するようなかたちで自動車の通行が許されているという点にある。(『自動車の社会的費用』宇沢弘文)
「人はその性格と現在とによって世界を構築する」。極楽浄土への憧憬を吐露する多くの文献を繰りながら、右の句が私の裡(うち)に生まれ確かめられて、ほぼ動かしがたいものとなった。(『大乗とは何か三枝充悳

仏教
 休日の通りは、当然ながらいつもの水曜よりずっと車が少なかった。ほとんどの店は閉まっている。多くの人は頭痛と新しい後悔とともにまだベッドの中だ。(『荒ぶる血』ジェイムズ・カルロス・ブレイク)
「だったら、スターリンからも許可状をもらってるんだろうな? 自分のケツを拭く権限を与える許可証とか?」(『卵をめぐる祖父の戦争』デイヴィッド・ベニオフ:田口俊樹訳)
 今日この世界は、何人の安全も保障していない。戦争は数多く発生しているし、暴力行為はあとを断たない。われわれには危険がないと、あえて断言できる人がいるだろうか。(『民間防衛 あらゆる危険から身をまもる』スイス政府編)
 科学の奇跡と出会うまで、ぼくの世界を支配していたのは魔術だった。(『風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった』ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー)
 映画は確実にテレビに喰われ始めていた。劇場へ行く観客が減っているのだ。全盛期の昭和33年に年間11億2700万人を数えた映画館入場者数は、36年には8億6300万人へと激減していた。(『ナベプロ帝国の興亡』軍司貞則)
【「経済の本質」から言って、物価が上がらない最大の原因は、労働者の賃金が上がらないところにあります】。私は「この本質」が、他のあらゆる経済理論に対して優先されるべきであると確信しています。(『騙されないための世界経済入門中原圭介
 大恐慌が起こった1930年代でも、ペストが大流行した14世紀でも、もっと昔の氷河時代でもいい。どの時代に戻っても、概して人の一生は今より短く、野蛮で過酷なものだったし、未来を読むことも容易ではなかった。(『最悪期まであと2年! 次なる大恐慌 人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオ』ハリー・S・デント・ジュニア)
 私たちはけっして木を見つめません。あるいは見つめるとしても、それはその木陰に坐るとか、あるいはそれを切り倒して木材にするといった利用のためです。(『瞑想と自然J・クリシュナムルティ:大野純一訳)

瞑想
 今日では企業が私たちの生活を支配している。何を食べるか、何を見るか、何を着るか、どこで働くか、何をやるかは、企業が決めているのだ。私たちは企業の風土、それが生み出す風景やイデオロギーに、否応なく取り囲まれている。(『ザ・コーポレーション』マーク・アクバー、ジョエル・ベイカン、ジェニファー・アボット)
 日本に対する海外の声は「世界一の金融資産がありながら、自分の国のために自分のカネを使わない。自らデフレをやって経済を小さくし、海外にカネをばら撒いている愚かな国だ」ということだ。(『消費税は0%にできる 負担を減らして社会保障を充実させる経済学』菊池英博)
 近年のわが国では、デフレ・ギャップの形で、年々、400兆円以上もの潜在実質GDP(90年価格評価)が実現されえずに、空しく失われ続けているのである。(『政府貨幣特権を発動せよ。 救国の秘策の提言』丹羽春喜)
 おれはすわったまま頭を膝につけて〔パターンが発火〕思考を集中させ、じっさいには見えていない左目を通してパッチがおれに見せつづけている共鳴と関係性〔パターンが発火〕のすべてに対処しようとした。(『ひとりっ子』グレッグ・イーガン)
 かつて、出来事は突然出現した。今日、出来事は出現させられる。つまり、つねに事実上の人工物として、メディアの諸形態の変装として、出現するのだ。(『透きとおった悪ジャン・ボードリヤール
 むしろオリジナルどころか、そのオリジナルの直接の複製すら存在しないのである。いやそれどころかオリジナルの複製の複製すら、というかオリジナルの複製の複製の複製ですら存在しないのである。(『捏造された聖書』バート・D・アーマン)

キリスト教
「自動車を発明したのはヘンリー・フォードじゃない。だが、彼は大量生産を発明した」(『キリング・フロアーリー・チャイルド
 そうだ。思想だ。それを確立させねばならん! それが形成されるべき場において。すなわち、究極において、その所有者と目(もく)される人間のうちに、それは確立させねばならん。(『ダッチマン/奴隷』リロイ・ジョーンズ)
 スタークとイアナコーニは、世俗化論一般を批判する際に、宗教に市場経済モデルを適用して、制度宗教を宗教企業、信者を宗教消費者ととらえる。(『現代社会とスピリチュアリティ 現代人の宗教意識の社会学的探究』伊藤雅之)
 危機は国家経済、そして社会の中にあるとわたしたちは考えるのですが、実は私たちの内部にあるのです。危機は外部にあるのではなく、まさに内部にあるのです。が、わたしたちはそのことに直面したがりません。(『英和対訳 変化への挑戦 クリシュナムルティの生涯と教えJ・クリシュナムルティ:柳川晃緒訳)
 科学的な見地としては、自由意思はおそらく“ない”だろうといわれています。(『脳はなにかと言い訳する 人は幸せになるようにできていた!?池谷裕二

脳科学
 科学者は、体験談を証拠とはみなさない。(『なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか』スーザン・A・クランシー)
 嘘で得られたものは一時的な猶予(ゆうよ)にすぎない。(『グラーグ57トム・ロブ・スミス
 その大きな重要な点しかもはなはだしばしば論議されている疑問とは次のことです。
 生きている生物体の空間的境界の内部で起こる時間・空間的事象は、物理学と化学とにおいてどのように説明されるか?
(『生命とは何か 物理的にみた生細胞シュレーディンガー:岡小天、鎮目恭夫訳)
 思想は一面で単純化されることを嫌う。思想のいのちは、概念をモザイクのように組み換える点にあるのでなく、思想家が彼の生の中でそれを組み換えることを促された、そのプロセスにあるからだ。(『現代思想の冒険』竹田青嗣)
 癒しという言葉が活字メディアに登場した時代は、10年ほど前に遡る。(中略)
 同時に、スピリチュアリティという言葉も用例を調べると出現の時期はほぼ同じだ。(1997年から増え始めている)
(『霊と金 スピリチュアル・ビジネスの構造』櫻井義秀)
 ふたつの回路とは「考えること」と「感じること」、「知性」と「感性」、「客観的な分析」と「主観的な洞察」だ。(『クラズナー博士の あなたにもできるヒプノセラピー 人生を成功に導くための「暗示」の作り方』A・M・クラズナー)
「ろくでなしは、はじめたことを終わらせた例(ためし)がない」(『守護者(キーパー)グレッグ・ルッカ
 消費税の滞納者が急増した1998年という年は同時に、この国の年間自殺者が初めて3万人を超えた年であったという事実を、とりあえず知っておいてもらいたいと思う。(『消費税のカラクリ』斎藤貴男)
 綾瀬アジトの摘発によって、革マル派のなかに「JR委員会」という組織が存在することも明らかになった。そして、このJR委員会に所属する約150人のメンバーが「マングローブ」というコードネームで呼ばれていたのだ。(『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』西岡研介)
 謀略外交で有名な19世紀フランスの外交官タレーランは、「愛国心は悪人の最後の逃げ場」と述べたというが、それは現代にも当てはまる。(『北方領土 特命交渉』鈴木宗男、佐藤優
 よくいわれているように、この謎は日米安保のアナロジーで解ける。地球防衛軍はウルトラマンに活動拠点(基地)を提供し、自らは後方支援の役に徹する。つまりウルトラマンとは在日米軍みたいなものなのだ、と。(『たまには、時事ネタ』斎藤美奈子)
 孤立が続くと、それが心持ちの一部になる。やがて異質なアイデアを受け入れたくないとさえ思うようになる。この話は日本人にはなじみのあるものではないだろうか。(『「ジャパン」はなぜ負けるのか 経済学が解明するサッカーの不条理』サイモン・クーパー、ステファン・シマンスキー)
 おそらく教育者が直面しなければならない最大の困難は、より広く深い教育に父兄が無関心なことだろう。父兄のほとんどは腐敗した社会での立派な地位を児童に確保させる表面的知識を養わせることにしか関心がない。(『未来の生J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
 タバコの勝利には目を見張るものがあるが、その主成分ニコチンは決して世界一普及したドラッグではない。第3位なのだ。アルコールが2位、カフェインが1位である。(『ドラッグは世界をいかに変えたか 依存性物質の社会史』デイヴィッド・T・コートライト)
 47人のキリシタンたちは大きな声で聖母マリアを称え、火の中でも決して身体を曲げたり、悲鳴をあげたり苦痛の表情を浮かべることなく、毅然(きぜん)として刑に耐えた。(『殉教 日本人は何を信仰したか山本博文

キリスト教信仰
 戦争理解するにはそれをコンテクストに当てはめて考えることが必要になってくる。軍事史と言うのは歴史のコンテクストの中の一部なのだ。──ジェレミー・ブラック、2004年
(『戦略の格言 戦略家のための40の議論』コリン・グレイ)
 アメリカの哲学者ジョン・デューイがかつて書いたように、「科学は意味を【叙述し】、芸術は意味を【表現する】」。科学は前提を【明確にし】、芸術は感情を【顕現する】。(『二十世紀文化の散歩道』ダニエル・ベル:正慶孝訳)
 マニラでは軍楽隊が小野田を送り、羽田ではわずか一本のラッパだけが彼を迎えた。両国政府の、小野田に対する考え方の差が、そこに表われていた。(『小野田寛郎の終わらない戦い』戸井十月)
 初年兵時代、弾傷が軽いと度胸がついて勇敢になるが、傷が重いと臆病風にふかれると古兵に聞いたことがあった。(『小野田寛郎 わがルバン島の30年戦争小野田寛郎
 釈迦の非我説は、詳しくは五蘊(ごうん)非我説といいます。(『仏教の謎を解く宮元啓一

仏教
 われわれに〈いま〉起きているものは、じつは過去──この過去には、ほんの一瞬前に現在であった過去も含まれる──に基礎をおく自己(セルフ)という概念のうえに起きていることなのだ。(『デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳』アントニオ・R・ダマシオ)

脳科学
 化学を英語でケミストリー(Chemistry)というのが、この語源となっているのが錬金術を英語で指す言葉のアルケミー(Alchemy)なのである。近代になるまで化学と錬金術は同一視されていたのだ。(『世界の「聖人」「魔人」がよくわかる本』一条真也監修、クリエイティブ・スイート編)
 たましいの【自然な】動きはすべて、物質における重力の法則と類似の法則に支配されている。恩寵だけが、そこから除外される。(『重力と恩寵 シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄シモーヌ・ヴェイユ
 諸君、幸徳君らは時の政府に謀叛人と看做されて殺された。諸君、謀叛を恐れてはならぬ。謀叛人を恐れてはならぬ。自ら謀叛人となるを恐れてはならぬ。新しいものは常に謀叛である。(徳冨蘆花)
(『日本の名随筆 別巻91 裁判』佐木隆三編)
「会議にはいつだって議題がある。そしてその議題はいつだって書類にしたためられる。なんにでも書類はつきものなんだ。軍用犬のドッグフードをべつのものに替えたいときだって、47回会議をやって、47枚の書類が作成される」(『前夜リー・チャイルド
 一般に、一つの相から別の相に物質や系のグローバルな状態が変ることを相転移と呼びます。相転移は不連続的に突然おきるのが普通です。氷を暖めて水にする時には摂氏零度で氷が急に溶けて水に移ります。(『生命を捉えなおす 生きている状態とは何か』清水博)
 そう、球面上には交わらない直線はないのである。さらにここでは、三角形の内角の和は180度を超える。(『相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学 アインシュタインと膨張する宇宙アミール・D・アクゼル:林一訳)

アインシュタイン
「理」は「筋が通っていること」で「正しさ」や「誠実さ」を表わし、古来の徳目である「義」や「誠」に通じており、利益を意味する「利」よりも格が上である。(藤原肇)
(『ジャパン・レボリューション 「日本再生」への処方箋正慶孝藤原肇
「若いうちに古典を読むべきだ」とも、「古典の良さは経験を積まなければわからない」とも言われる。どちらもそれなりに正しいのだろうが、もっと本質的なことは「古典はわかる必要がある時代と場所でしか理解されない」ということである。(『書物の運命池内恵
 彼(マイケル・スモレンスキー)によると、心臓疾患による突然死が多いのは午前7時から10時までだということです。朝方に激しい運動をするのは、結構、危険が伴うようです。(『心臓は語る』南淵明宏)
 したがって、すべての神学にとっての問題は、それが合理的に納得されるためにはこの意味はいかに解釈されるべきか、ということである。(『職業としての学問マックス・ウェーバー:尾高邦雄訳)
 ロンドンの人々は、19番のバスを1時間も待った挙げ句、一度に3台もやってきた、とよく不満を垂れる。地震もそうなのだ。地震はまとまって起きるのである。(『歴史は「べき乗則」で動く 種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学マーク・ブキャナン
 人間が言葉を失ったときには、だれでもが、「コミュニケーションがいちばん大切だ」ということに気がつくのですね。(『紙屋克子 看護の心そして技術/別冊 課外授業 ようこそ先輩』NHK「課外授業 ようこそ先輩」制作グループ、KTC中央出版編)
「精神の異常」は、けっしてある個人ひとりの中での、その人ひとりにとっての異常としては出現しない。それはつねに、その人とほかの人びととの間の【関係の異常】として、つまり社会的対人関係の異常として現れてくる。(『異常の構造』木村敏)
ダレール●わたしたちは人道を最優先していて、そのように振る舞ってはいます。しかし、実際にはサハラ以南のアフリカを援助するためにわたしたちが犠牲を払うことは、まったく優先されていないのです。(『ロメオ・ダレール 戦禍なき時代を築くロメオ・ダレール伊勢崎賢治

ルワンダ
 複雑さが増すときにこそ、明晰さと判明さへの要求も増す。(『資本主義に徳はあるかアンドレ・コント=スポンヴィル
 アメリカの評論家すらもが、テロリストの攻撃は、かなりの程度アメリカ自身の外国での行動の結果であったと述べているが、それは、軍事面ばかりか、大多数の国々に対する財政的な圧力を通じての行動を指している。(『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン)

国家
「ズキン、ズキンとするのは痛いけれど、私にはそれが、建築現場の槌音のように感じるのです。ズキン、ズキンとくるたびに、私の壊(こわ)れた体が健康な体へと生まれかえさせて頂(いただ)いている。(『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ 若き医師が死の直前まで綴った愛の手記』井村和清)
 痴呆を生きる者も、その家族も、逃れることのできない現在と、時間の彼方に霞んで見える過去とを、いつも往還している。今を過去が照らし、過去を今が彩(いろど)る。(『痴呆を生きるということ』小澤勲)
「未解決問題があるかぎり、科学は生気に満ちている。問題の欠乏は科学の死を、すなわち独自の発展の停止を意味する」ヒルベルト(『新装版 数学・まだこんなことがわからない 難問から見た現代数学入門吉永良正

数学
 主観的真実に固執するものは常に自己神化に終る。「教会」と「党」とは常に異物を排泄して健康を維持する有機体に似ている。(『正統と異端 ヨーロッパ精神の底流』堀米庸三)

異端
「私は、軍のチェコ侵入に反対しただけなんだ。それで、共産党から除名されたが、私の魂は共産主義者なんだ。自分自身の魂を裏切るわけにはいかんだろう」(『嘘つきアーニャの真っ赤な真実米原万里
 男が言うには、戦争に行って生きて帰ってきた人間の魂は皆死んでしまっており、その魂の死を断固として拒んだ勇敢な人間たちは皆肉体が死んでしまったのだそうだ。(『増大派に告ぐ』小田雅久仁)
【一説にはGDPの4倍近い金融資産が世界中を乱舞していると言われています。これは従来の経済学の範疇になかったことです】。(『大恐慌入門 何が起こっているか? これからどうなるか? どう対応すべきか?朝倉慶
 君たちはなぜ教育されているのだろう?(『英知の教育J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
 最近のブラックホール研究は、ブラックホールの意外な面を暴き出してきた。ブラックホールこそは莫大な電磁波その他の形のエネルギー供給源であり、宇宙が現在の姿になるために多大な貢献をしてきたらしいのである。(『ブラックホールを見る!』嶺重慎)
 不可触性の不当、不正義、不平等、非合理を真に憎んだガンジーは、一方であくまで敬虔無比なヒンズー教徒であり、カースト制を否定しなかった。いやむしろ、その存在をインド社会の中心的柱として肯定(こうてい)した。(『不可触民 もうひとつのインド山際素男
 さらに興味深いことに、歩くことを想像すると歩行時の脳活動に近い活動分布を示すことがわかりました。(『脳から見たリハビリ治療 脳卒中の麻痺を治す新しいリハビリの考え方』久保田競、宮井一郎)
 かつて、宗教学を専攻する先輩に、印哲は初めから仏教をよいもの、価値あるものとして扱っていて、方法論上の反省が足りない。宗教学は、まず方法論の自覚から出発するのだ、と指摘されたことがあった。(『仏教は本当に意味があるのか竹村牧男

仏教
 君は忿怒佛のように
 今こそ
 怒らねばならぬ
 怒れ 怒れ
 怒って 怒って 地上をのたうち回れ
 虐げられた難民
 苦しむ衆生のために(「君は忿怒佛のように」)
(『わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか多田富雄

リハビリ
 その村上先生に宇井(伯寿)先生が会われた時に、村上先生はこういわれた、「えっ。君は本を読むのに火鉢を置くのか」。つまり、本を読むというのは修行なのです。それを横に火鉢を置くなんて、そんなだらけたことはけしからんというのですね。(『ブッダ入門中村元

ブッダ
 オーケストラを教えていても、できる子が間違えると怒る。それから二度目に弾けると怒る。最初からなぜそのようにやらないのか、と。(『齋藤秀雄・音楽と生涯 心で歌え、心で歌え!!』財団法人民主音楽協会編)
 亡くなる前日、ニザールは小鳥を逃がしてやった。「小鳥の母親が、子どもがいなくなって悲しい思いをしているといけないから」と言って。(ニザール・エイデ、15歳)
(『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』アーディラ・ラーイディ/イザベル・デ・ラ・クルーズ写真:岡真理、岸田直子、中野真紀子訳)

パレスチナ
「一番大きな問題は私たちのこの悲劇には名前がついていないことです。世界の注目どころか、国内でも無視され切り捨てられている」(『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ木村元彦
 自由を制止する言葉は撃ち抜け。(『荒野の庭』言葉、写真、作庭 丸山健二
 テンプル・スクエアで真面目な若い宣教師たちが配っている教会の印刷物には、ジョセフ・スミス――いまも、教会の要となっている人物――がすくなくとも33人の女性、おそらく48人ほどの女性と結婚したという事実にはまったく触れていない。(『信仰が人を殺すときジョン・クラカワー:佐宗鈴夫訳)

宗教モルモン教信仰
 相対性理論では唯一の絶対時間なるものは存在しない。(『ホーキング、宇宙を語る ビッグバンからブラックホールまでスティーヴン・ホーキング:林一訳)

ビッグバン
「展開の果てしなき可能性、それこそが無限だと考えるのです」(『無限論の教室野矢茂樹
 諸葛孔明も立派な政治家ではあったが、戦争はどちらかといえば下手であった。(『雍正帝 中国の独裁君主宮崎市定

中国
 したがって数字の0は数の起点では「なにもない」の意味ですが、「無限の数」も包含する、あるいは意味する数であるといわなければなりません。(『人間ブッダ田上太秀

ブッダ仏教ゼロ
 テレビが小さいウソを認めるのは、デカいウソを押し通すための一種のフェイントなわけだ。(『テレビ救急箱小田嶋隆
 我々はみな、ひとりひとりが、自分が自分のあり方として想像したもの、そして相手から想像されたものとして存在している。(『ジェノサイドの丘 ルワンダ虐殺の隠された真実フィリップ・ゴーレイヴィッチ:柳下毅一郎訳)

ルワンダ
 周知の通り、彼は、絶えず献身的な若い女性に取り巻かれていた。彼は、彼女らを自分のベッドで寝させるのが習慣となり、彼を暖めるために、服を脱いで彼の裸体に身体をぴったり寄せて寝るよう要求した。(『ガンジーの実像ロベール・ドリエージュ今枝由郎訳)

ガンディー
 われわれにそのような手段が豊富にあるわけではない。方法はただ一つしかない。それは消極的抵抗である。(※白バラのビラIII)
(『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集フレート・ブライナースドルファー編:石田勇治、田中美由紀訳)
松山●わたくしの見るところでは、『大智度論』の作者とされる龍樹や『法華経論』の作者とされる世親は、ともに大学匠でありながら、『法華経』の本質を掴んでいません。(『蓮と法華経 その精神と形成史を語る松山俊太郎

仏教
 いろいろな徴候から、晩飯を食うのもあと千回くらいなものだろうと思う。といって、別にいまこれといった致命的な病気の宣告を受けたわけではない。72歳になる私が、漠然とそう感じているだけである。(『あと千回の晩飯山田風太郎

生死
「間に合う」から外れると、間が抜けて、「間抜け」になります。「間抜け」な状態は運を落とします。間に合っていれば運がいいのです。間に合うには、いつも我が身を「間の中」に入れておくようにすることです。(『運に選ばれる人  選ばれない人桜井章一
 アインシュタイン自身はけっして実験をしなかった。(『内なる目 意識の進化論ニコラス・ハンフリー:垂水雄二訳)

認知科学
 彼らは二言めには「オウム」という単語を繰り返した。「オウムの例もありますから」という、この12文字が、あらゆる過剰な取材と失礼な報道を免罪する魔法の呪文だというみたいに。(『テレビ標本箱小田嶋隆

テレビ
 問題は、人間の頭脳はまるで同じ曲を何度も流しているレコードのように、古い習慣の中で働き続けているということです。その雑音(習慣)が鳴り続けている間は、何も新しい曲を聴くことができません。(『英知の探求 人生問題の根源的知覚J・クリシュナムルティ
 中国が欲しがっている80キロレール(1メートルにつき80キログラムの重量に耐えるレール)は、日本の新日鉄にしかつくれない。世界最大のアルセロール・ミタルではつくれないのだ。(『無法バブルマネー 終わりの始まり 「金融大転換」時代を生き抜く実践経済学松藤民輔
 何より驚かされるのは、彼がこの時期、一行も本を読まず、一行も文章を書かなかったことだろう。1766年、サンクトペテルブルグに戻ってまもなく視力を半ば失ったオイラーは、1771年、白内障の手術に失敗してからはまったく目が見えなかったのだ。(『新ネットワーク思考 世界のしくみを読み解くアルバート・ラズロ・バラバシ:青木薫訳)

ネットワーク科学
 教えてあげよう。人であれ、神であれ、何かの信条であれ、無条件に信じるのは、そりゃ精神の頽廃だぞ。だって、何かを信じるということは、その何かについて判断を放棄することだろうが。(『イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド小田嶋隆

宗教
買ってはいけない』が使ったトリックは、この一日摂取許容量の何百倍、何千倍というような量の食品添加物を食べさせた実験をもとに、極めて微量の使用を非難したものでした。(『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学松永和紀
 古代において、シャーマニズムや密教などの呪術がさかんだったのは、人知蒙昧のせいばかりではない。天災地変、飢饉、疫病などの恐怖からぬけだすのに、それ以外の防災手段を求めることができなかったからである。(『鎌倉佛教 親鸞と道元と日蓮戸頃重基

仏教
 これ(※OECDの試算)によれば、日本においては「社会の上位10%の富裕層」が「下位10%の層」の実に4.9倍の所得を得ていることになっています。(『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵北村慶
 実は「水子の祟り」などという考え方は、昔はなかったのだ。医療技術が進歩し、一部の人々が優生保護法のもとで妊娠中絶に安易に走るようになってから広まったものだ。(『霊はあるか 科学の視点から安斎育郎

科学
 旅は結婚に似ている。コントロールしようというのが間違いのもとなのだ。(『チャーリーとの旅ジョン・スタインベック:竹内真訳)
 本が面白く読めたというのは、本を読んだのではなく、本で世の中が、世の中を見る自分が読めたということです。逆にいえば、世の中を読むという操作のなかで始めて本は読めるわけですね。(『社会認識の歩み内田義彦
 革命はいつでも突然起こるというものではないし、釣りあいのとれた叙事詩でもない。特に、それが観念の革命である場合には。(『黒体と量子猫 ワンダフルな物理史ジェニファー・ウーレット:尾之上俊彦、飯泉恵美子、福田実訳)

科学
 ところでモノとサービスと言いますが、モノとサービスの違いはなにか? 税関を通るか、通らないかだけの差なんですよね。モノは税関を通るがサービスというのは税関を通らない。(『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義藤巻健史
 自閉症児の本質は、〈私〉としての自己を他者に対して定位することのできない存在構造にある。(『自閉症の子どもたち 心は本当に閉ざされているのか酒木保
 寿命心臓の鼓動時間で割ってみよう。そうすると哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つという計算になる。寿命を呼吸する時間で割れば、一生の間に約5億回、息をスーハーと繰り返す計算できる。(『ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学本川達雄
 戦略の誤りは戦術では補えないといいます。(『目からウロコのカウンセリング革命 メッセージコントロールという発想下園壮太

カウンセリング
 そして監獄の中で自分自身を居心地よくさせることに成功する人のことを私たちは「成功者」と呼び、一方、監獄の中で負ける人のことを「失敗者」と呼ぶのです。が、成功も失敗もともに監獄の壁の内側でのことなのです。(『片隅からの自由 クリシュナムルティに学ぶJ・クリシュナムルティ:大野純一著編訳)
「神についての思索を表現しない方程式は僕にとっては無価値である」(ラマヌジャン
(『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャンロバート・カニーゲル田中靖夫訳)

数学
 祖国とは国語である。ユダヤ民族は2000年以上も流浪しながら、ヘブライ語を失わなかったから、20世紀になって再び建国することができた。(『祖国とは国語藤原正彦
 私たちは、自然界の生物は幸せで健康なものだと考えたがるが、自然淘汰は、私たちの幸福には微塵も関心がなく、遺伝子の利益になるときだけ、健康を促進するのである。(『病気はなぜ、あるのか 進化医学による新しい理解』ランドルフ・M・ネシー、ジョージ・C・ウィリアムズ:長谷川眞理子訳)
 これらの数字をもとに計算すると、可能性のある脳の状態――理論的に可能な活動性の順列と組みあわせの数――は全宇宙の素粒子の数を超える。(『脳のなかの幽霊V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー:山下篤子訳)

脳科学デイヴィッド・イーグルマン
 官制経済体制とは、中央集権、官僚制、計画経済、そして閉鎖財政(国民に見えない財産)を基本構造とする国家の類型である。官制経済体制の下では基本的に経済は権力に従属するため、本来の経済(=市場)は失われる。(『日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!石井紘基
 すべての人間は、怠け者か、怠け者志願者である――サミュエル・ジョンソン
(『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たちトム・ルッツ:小澤英実、篠儀直子訳)
 道徳的無力感を生む近道は、あいまいな表現で物事を考慮することだ。(『ギャンブルトレーダー ポーカーで分かる相場と金融の心理学アーロン・ブラウン:櫻井祐子訳)

トレーダー
 バーカウンターの奥に並ぶ琥珀色のボトルに目をやった。どのラベルも仰々しいのは、忘却を求める者にとってはそれが恰好の口実を与えてくれるからだ。(『メービウスの環ロバート・ラドラム:山本光伸訳)
 あなたの価値は、「葬儀費用+慰謝料+逸失利益〔(自殺前1年間の年収)×(1-生活費控除率)×(67歳-現在の年齢に対応する中間控除率)〕+弁護士費用-過失相殺額」だ。(『自殺のコスト雨宮処凛

自殺
 幾多の激震を繰り返したバブルの人類史は、19世紀後半にイギリスの株式会社制度に結実した。この間のリスクとの戦いは一方で数学を発展させ、一方で株式会社の有限責任制度を生み出した。ここには常に、リスクとの知的な戦いがあった。(『投機学入門 不滅の相場常勝哲学山崎和邦
 図は日蓮の神国王御書の中の〈蓮〉。猛烈な速度で次々と言葉が溢れ出てくる。それを書きとどめんとして、筆はとてつもない速度で回転、連続する、熱狂の書。(『一日一書石川九楊
「わたしが、がんでよかった、っていったの。ほんと、ママが、がんじゃなくてよかった。ママが、がんになったら、わたし、つらくて、生きていけなくなってしまう。でも、わたしだったら、がんなんかに負けないもの」(『いのちの作文 難病の少女からのメッセージ綾野まさる猿渡瞳
 それはかつて私たちの国では、「恋」とか「愛」とか、あるいは「情」とか「色」とかいったことばで語られたのである。が、「恋愛」ではなかった。(『翻訳語成立事情柳父章
 ナショナリズムは一種のウイルスなんです。近代以降、このウイルスが人類に蔓延している。高度に産業が発達した国家に生きている国民で、ナショナリズムというウイルスに感染していない人はほとんどいません。(『国家の自縛佐藤優
岡●私の申したいことは、たとえば人が立とうという気持で立ちましょう。それは筋肉運動ではありますが、気持次第で千差万別の立ち方がありますね。そういうことを何がさせているかということが、実は一つもわかっていない。(『人間の建設小林秀雄岡潔

数学
 臨床心理士は「人間の心は究極的にはわからない」ことをよく知っている人なのです。だからこそ、プロの聞き手なのです。(『プロカウンセラーの聞く技術東山紘久

カウンセリング
 ──名嘉真や張とリングを離れてのつき合いは?
「まったくありません。試合の前後、口をきいたこともない。でも、あの二人には、できれば生涯の友人になってほしい、とぼくは思っているのです」(大橋秀行)
(『彼らの誇りと勇気について 「感情的ボクシング論」佐瀬稔

ボクシング
 優秀なリーダーかどうかは、情報空間をいかに高い視点から俯瞰できるか、にかかっているのです。(『心の操縦術 真実のリーダーとマインドオペレーション苫米地英人
 人間の意識は、「私」に中心化された形でしか、空間を経験できないのである。(『脳と仮想茂木健一郎

脳科学
 タントリズムにあっては、すべてがシンボルに置きかえられる。世界も仏もシンボルとなる。シンボルあるいは記号の集積の中で、タントリズムの儀礼あるいは実践が行われるのである。(『はじめてのインド哲学立川武蔵

哲学
 原子を一定の率で拡大して描く場合、原子核を1センチとすると、電子は髪の毛1本の直径にも満たず、原子全体の直径はサッカー場の長いほうを横にして30面並べた長さを超える。そしてその間には何も存在しないのだ。(『本当にあった嘘のような話マーティン・プリマー、ブライアン・キング:有沢善樹訳)
 体験は個のレベルで解体し、検証せよ。そして可能なら脱構築して再生せよ。(『無境界の人森巣博
 この作品(『妖怪人間ベム』)には、「早くアメリカの白人なみになりたい」という当時の日本人、とくに子どもたちの屈折した欲望が、「早く人間になりたーい」妖怪人間たちの願望として、デフォルメされて描かれていたように思われる。(『男らしさという病? ポップ・カルチャーの新・男性学熊田一雄
 捕まったソ連兵はどうやって殺されるか。まず、ナイフで両目をえぐられる。それから耳ちょん切って、両手両足ちょん切って、それで急所をえぐりとって、生きたまま道路に投げて置くんです。その兵隊は発見されても、もう助かりはしない。(『国家の崩壊佐藤優宮崎学
(※福島県)浜通りでは70年代から通称“TCIA”(東電CIA)が暗躍。原発反対派の集会では車のナンバーを調べ、選挙では反対派候補の家や事務所に出入りする住民のをチェックする。(『東京電力 暗黒の帝国恩田勝亘
 イスラム兵士として戦った兄弟にサラエボの町であった。無精(ぶしょう)ひげを蓄えた兄は、紛争時、極度の食糧不足の中で、革靴や皮のベルトを煮て食べたという。(『この大地に命与えられし者たちへ』写真・文 桃井和馬
 この世はいやしさにみちている。徹底して不正で、邪悪で、卑劣きわまるいやしさずくめ。そして誰もがこのいやしさに関与している。ひとり残らず、全員がそうなんだ。(『ゾマーさんのことパトリック・ジュースキント:池内紀訳)
 段階をうまく踏むことができたときには、非常に深く集中できる。これ以上集中すると「もう元に戻れなくなってしまうのでは」と、ゾッとするような恐怖感に襲われることもある。(『決断力羽生善治

将棋
 社内主義とは、社員が主として社内を向いており、その結果として過度の社内サービス、内部調整、人脈づくり、社内情報収集などが起こり、付加価値創造に結びつかないエネルギーが過剰に費やされる状態である。(『スーパーサラリーマンは社外をめざす西山昭彦
 西暦1700年か、あるいはさらに遅くまで、イギリスにはクラフト(技能)という言葉がなく、ミステリー(秘伝)なる言葉を使っていた。技能をもつ者はその秘密の保持を義務づけられ、技能は徒弟にならなければ手に入らなかった。(『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するかP・F・ドラッカー上田惇生訳)
 イッサ(※=イエス)はひそかに父の家を離れてエルサレムに行き、東へ向かう隊商らとともに旅し、「神のことば」に生きる自らを完成させるため、偉大な仏たちの法を学ぼうとした。(『イエスの失われた十七年エリザベス・クレア・プロフェット:下野博訳)

キリスト教堀堅士
 サルは非辺縁系の感覚を二つ、連合させることができない。人間はそれができる。そしてそれが、ものに名前をつけ、より上位の抽象化のレベルを進んでいく能力の基盤となっているのだ。(『共感覚者の驚くべき日常 形を味わう人、色を聴く人リチャード・E・シトーウィック:山下篤子訳)

脳科学共感覚
 瞑想とは
 あるがままに ものを見ることであり
 それを超えていくことです
(『瞑想J・クリシュナムルティ:中川吉晴訳)
「言葉は極めて重要だ。そして銃器のように危険でもある。私は記者を観察している。このメディアは正しい質問をしているのか。ジェフを応援しているのか。そうでないのか。新聞記者は戦争を始めることができる。意図を持てば世の中を危険な方向に導けるのだから。ユーゴの戦争だってそこから始まった部分がある」(『オシムの言葉木村元彦

イビチャ・オシム
 私が真理を発見したのではない。真理が長い間の隠蔽(いんぺい)に耐えかねて、私に語りかけてきたのである。(『隠された十字架 法隆寺論梅原猛
 ユダヤ人は着ているものに黄色い星のワッペンを縫い付けるように命令された。そうすれば、すぐに見分けがつくからだ。するとデンマークの市民は誰もがただちに黄色い星を縫い付けた。ユダヤ人を救い、自分たちもファシストにならないために、国王も国民の行動を支持した。(『プーチニズム 報道されないロシアの現実アンナ・ポリトコフスカヤ:鍛原多惠子訳)

ロシア
 物事について徹底的に考え始めたらすぐにも、我々は誰に、あるいは何に従うべきかという命題をさしおいて、根本的な問題は他にないことが明々白々になるはずである。(『日本/権力構造の謎カレル・ヴァン・ウォルフレン
 チルチルとミチルがお家の中で遊んでいると、ふらんすからごーんという名前のおじさんがやってきて、青い鳥を焼き鳥にして食ってしまうのである。この場合、青い鳥は何の象徴だろう? ブルーバード? ははは。違うね。ブルーカラーに決まってるだろ。(『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997‐2003小田嶋隆
 もっとも、けた外れに巨大な建造物は、往々にして人間の不安の度をなによりも如実に写しているものなのです。要塞の建設を見るとはっきりとわかります(『アウステルリッツW・G・ゼーバルト:鈴木仁子訳)
 ふとバーナード・ショーの格言が頭に浮かんできました。「できる者は行い、できない者はできない者に教える」(『改訂版 不動産投資の破壊的成功法金森重樹
 今、NHKの番組制作の現場に、全盲の職員は一人もいません。ラジオ第2放送の「視覚障害者の皆さんへ」という番組ですら、関わっている視覚障害者は全て外部の人たちです。(『怒りの川田さん 全盲だから見えた日本のリアル川田隆一
 むしろ同居の中で、信頼する身内から理解されず、冷たく疎外されているわびしさこそが、老人にとって耐えられない孤独だった。これが一番の自殺動機になっていたことを見逃すことはできない。(『自殺死体の叫び上野正彦
 私は一つの考えを思いつき、それを実行した。私は娘を裸にして強姦し、その後、庖丁で刺し殺し、手早く肉を全部切り取った。それを動物の肉のように見せかけて盛り上げ、指揮班を通じて全員に配給したのである。(『戦争と罪責野田正彰

戦争
 つまり、身体的に「自己」を規定しているのは免疫系であって、脳ではないのである。脳は免疫系を拒絶できないが、免疫系は脳を異物として拒絶したのである。(『免疫の意味論多田富雄
 人間は塀の外で自由に暮らしているときには、自分のことをふり返ってみないし、わかろうとしない。自分の中にもうひとりの自分がいて酷使されていたり、粗末にされていても気がつかない。(『アメリカ重犯罪刑務所 麻薬王になった日本人の獄中記丸山隆三
 たとえば、本部長や大阪の中心地の警察署長が転勤するときには、当時で2000万円から3000万円の餞別が地元の有力業者から贈られる。それが慣習になっていた。2000万、3000万といえば、警察署長の退職金に相当する。(『反転 闇社会の守護神と呼ばれて田中森一

検察
 密教は仏教のみに生まれたものではなく、ヒンドゥー教、ジャイナ教においても生まれた運動であるが、仏教密教仏教密教)に限っていうならば、大乗仏教において密教は生まれた。(『最澄と空海 日本仏教思想の誕生立川武蔵

最澄空海
「モノの消費(食物など)→エネルギーの消費(電力・ガスなど)→情報の消費(デザイン、本、ブランド)→ケアの消費」ということが、いわば重層的に積み重なった社会として、現代という時代をとらえることができるのではないだろうか。(『ケアを問いなおす 「深層の時間」と高齢化社会広井良典
 本当か嘘か知らないが、今から何十年後の日本では60歳以上の老人が全人口の80パーセントを占めるという。つまり一人の若者のまわりを4人の老人が取り囲んでしまう社会が現出する。(『恍惚の人有吉佐和子、1972年発行)
 呉子曰く、「凡そ兵戦(へいせん)の場は、屍(しかばね)を止むるの地、死を必(ひつ)とすればすなわち生き、生を幸(さいわい)とすれば則ち死す」

 呉子はいわれた。「戦場とは屍(しかばね)をさらすところだ。死を覚悟すれば、生きのびることもできるが、生きながらえようと望んでいると、逆に死をまねくことになる。

(『呉子尾崎秀樹訳)

呉子呉起
岸田●私はよく言うんですが、日本のテレビ番組の時代劇は水戸黄門とか、遠山金四郎とか、権力側の代表者が最後に出てきて事件を解決するという筋書きになっているのが多い。悪代官がいて悪いことをしている、そこに水戸黄門が出てきて解決する。村の人たちが怒って団結し、悪代官をやっつけたという時代劇がないんですね(笑)。だから国民の側に、全知全能の立派な為政者にすべてを任せれば、うまくやってくれるという期待があるんじゃないか。(『ものぐさ社会論 岸田秀対談集岸田秀
「聞く技術」というものがあります。本当に相手の言葉を聞くためには、あらゆる偏見や、前もって公式化されたものや、日常の生活の問題などを捨ててしまうか、脇へ片づけておかなければなりません。(『自我の終焉 絶対自由への道J・クリシュナムルティ
 彼は、世に聞こえた一部の先輩たちと同様に、犯罪者が知性を備えていたら、恐らく人を殺す必要なぞなかっただろうに、という主張を持っていた。(『メグレ罠を張る』ジョルジュ・シムノン)
「あんたが投げだしたら、その途端にあんたは負ける。あんたが投げだしたら、あんたについてきた他の連中が幾人か死ぬかもしれない。希望を捨てることは人の命を奪うことなんだ」(『遙かなるセントラルパーク』トム・マクナブ)
 小泉三申は、小学校を卒業しても、進学は許されなかった。村には漢学塾があったが、一ヶ月十銭の謝礼がはらえない。他家の子守にやとわれた三申は、子供を背中におぶさったまま塾の庭に立ち、もれ聞こえる講義の声を聞いて自分の血肉とした。(『出世を急がぬ男たち』小島直記)
「無責任なことをいっちゃいけないよ。考えついたり、真似ごとをするのと、本当にやり通すのとは全然違う。あの人はそれをやったのじゃ。あんたはやっとらん。わしもしとらん。そこがだいじじゃ」(『通りすぎた奴』眉村卓)
 どうして落ち込まないか。はっきり目的があるからだよ。(『成りあがり How to be BIG 矢沢永吉激論集』矢沢永吉)
 人間が人間として生きなかったということぐらい、恥ずかしいことはありますまい。松の木は松の木としてのびていきます。ライオンは一生ライオンの声を失いません。しかるに人間が人間らしく生きなかったということは、金銭登録器のような生活しかしなかったということは、人間としてこれ以上の恥辱はないと思います。(※銀行員だった父・義平の遺書)
(『真実一路』山本有三)
 同じ夜に何千人死のうと、人はただひとりで死んでゆく。(『人間臨終図巻山田風太郎

生死
 ただ一つ、並外れて優秀なマネジャーには共通点がある。それは、新しく何かを始めようとするときに、まず、伝統的常識であるはずのルールをことごとく打ち破っているということだ。(『まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違うマーカス・バッキンガム&カート・コフマン:宮本喜一訳)
 集中とは、孤独・内閉に向かう力だ。(『集中力がつく本 頭脳効果を最大限に発揮する心理テクニック多湖輝
 ある治療が科学的であるためには、思想ではなく理論が不可欠である。なぜなら、思想は方法論を規定しないが、理論は方法論を規定するからである。(『リハビリテーション・ルネサンス 心と脳と身体の回復、認知運動療法の挑戦宮本省三

リハビリ
 炊事が奇しくも分けられた
 女の役目であったのは
 不幸なこととは思われない、
 そのために知識や、世間での地位が
 たちおくれたとしても
 おそくはない
 私たちの前にあるものは
 鍋とお釜と、燃える火と

 それらなつかしい器物の前で
 お芋や、肉を料理するように
 深い思いをこめて
 政治や経済や文学も勉強しよう、

 それはおごりや栄達のためでなく
 全部が
 人間のために供せられるように
 全部が愛情の対象あって励むように。

(『石垣りん詩集石垣りん

詩歌
 私が問いたいのは死者たちの存在性格である。われわれは死者たちを思う。思うことは歴とした経験であろう。そして経験できるということは、死者たちが何らかの様式で存在するということにほかならない。(『死と狂気 死者の発見渡辺哲夫
 生きるということは結局、一方では絶えず部分的には死んでいくものであり、一方では絶えず新しくつくられているものがあるからこそ生きているわけで、健常な人間の体の部分もそのようなことを行っている。(『リハビリテーション 新しい生き方を創る医学上田敏

リハビリ
 ここまで言えば、ルソーが「抽籤による選任法は民主政の本質にかなう」と考えた理由は、もはや説明するまでもあるまい。全有権者(母集団)の縮図は、無作為抽出(ランダムサンプリング)によって構成する以外にはないのである。(『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう薬師院仁志

民主主義
「だから、ぼくの人生がどこに向かって行くのか、それは戦争の状況しだいなんだ。それに望みをかけるしかないんだ。
 希望は……もちろんある。残念ながら、映画の中で描かれたような恋も友情も、実際に経験することはできなかった。でも、いつになるかわからないけれど、今後、人を愛せるのなら、そういう能力がまだ残っているのなら、誰かを愛したいと思う。一番大切なことは、何が起ころうとも『人間』でいることだ。『人間』であり続けることだ……」
 17歳とは思えないドラシュコのこの成熟ぶりは何なのだろう。まるで「思春期」の原作者、詩人ブランコ・チョピッチが、ドラシュコの口を借りて何かを必死に伝えようとしているかのようだ。
(『失われた思春期 祖国を追われた子どもたち サラエボからのメッセージ堅達京子

サラエボ
 また、裁判の現場に広がっていた相場主義が、被害者の心をずいぶんと踏みにじってきました。相場主義というのは刑の重さが相場で決まるということです。(『裁判官が見た光市母子殺害事件 天網恢恢 疎にして逃さず井上薫
「世界中で、毎日毎日、政府や武装政治集団の手により、男性や女性や子どもが、家を追われ、拷問を受け、殺害され、失踪している。多くの場合、アメリカはその責任の一端を担っている」(アムネスティ・インターナショナル)
(『世界反米ジョーク集』早坂隆)
 ヒトラーとユダヤ系銀行の交渉は、値段で折り合いがつかずに失敗し、ヒトラーはユダヤ人問題に対して、もうひとつの「解決」を実行することにした。それがユダヤ人絶滅策である。(『新版 リウスのパレスチナ問題入門エドワルド・デル・リウス:山崎カヲル訳)

パレスチナ
 当時からCIAは国費を使って世界各国の新聞社や広告会社を買収し、運営していた。かくしてCIA局員はこれらの会社を隠れ蓑として、会社の従業員という肩書きで活動しているのだ。(『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」有馬哲夫

テレビ
 才能は静けさの中で作られ、性格は激流の中で作られる。(『ゲーテ格言集ゲーテ:高橋健二訳)
 資本主義民主主義の根源は、迎合にあるのだ。どちらも迎合なくして運営できない。商品生産者は消費者にへつらい、あらゆる政治家は地元の選挙民にへつらう。(『おテレビ様と日本人林秀彦

テレビ
 歴史が教えるところによれば、世の中を誤まらせるのは、狡猾な悪人ではなく、確信犯の善人なのだ。(『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ小田嶋隆
 表現するとは、当たり前にできること、当たり前にあることを大切にすること、それは、
 見事な笑顔。
 見事な挨拶。
 見事なありがとう。
 見事な見送り。
 見事な歩き方。
 見事な握手。
 見事な立ち方。
 見事な……。
(『世界に一つだけのギフト』平野秀典)
「空」とはこのように、否定作業によって自己が新しくよみがえるというプロセスの原動力である。(『空の思想史 原始仏教から日本近代へ立川武蔵

仏教
 叡山では、稚児との情交の道――これを衆道(しゅどう)といった――を悟りへの近道と口伝し、平安の昔から連綿と伝承してきた。(『性愛術の本 房中術と秘密のヨーガ』)

性愛術
 人間の能力は、年ごろになって自然と顔にあらわれてくるにきびのごとく、放っておいても出てくるという性質のものではない。放置しておけば、あるいは終生、自他ともに認めないまま、体内に潜伏したままであるかもしれないのである。(『政治を考える指標辻清明

政治
「こいつが何か言ったら」メイジャーが言った。「それは真実だ」
「あんたがそう言うなら」ヤンがメイジャーに言った。
「信じろ。こいつが何か言ったら、おまえはそれをチャチャ・ファースト・ナショナル銀行に持っていって預けられる」
 ヤンはうなずいた。
(『スクール・デイズロバート・B・パーカー:加賀山卓朗訳)
 だが日蓮の言動に興味を抱いていた時頼は早速に目を通した。そして衝撃に襲われたのである。問答仕立てゆえに読みやすく、論旨も明快であるが、中身はすこぶる深い。おなじ僧の身なのでそれがよく分かる。〈こんな者がこの世に居たとは……〉(『時宗高橋克彦
 哲学の世界では、17世紀にデカルトが現れ、「我思う故に我あり」と主張して、根本原理を神から人間の世界へと引き下ろした。(『日本仏教史 思想史としてのアプローチ末木文美士

仏教
 歴史というのは、過去の出来事にとどまらず、現在に連なり、現在を絶えずつくり出している力ですから、結論的にいえば「文体(スタイル)の積畳である」と私は定義したいと思います。(『漢字がつくった東アジア石川九楊
 その空しさは、おそらく、生き方を問う必要すら感じさせなくなってしまった豊かな社会そのものに対する一種の裏切られたような気分なのではあるまいか。(『生き方の研究森本哲郎
〈善性〉は自由のなかでのみ開花することができます。どのようなかたちであっても、説得の土壌や強制のもとでは花開くことはありません。またそれは報酬の結果でもありません。(『学校への手紙J・クリシュナムルティ
 真の権威は、権威主義の異臭を放たぬものである。(『権威主義の正体岡本浩一
 相関関係がいかに強くてもそれがそのまま因果関係とならないことを、たいていの人は知っている。ところがこの事実は容易に忘れられる。(『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の科学と虚構エリオット・S・ヴァレンスタイン:中塚公子訳)

精神疾患
 平公は師曠(しこう)の諌言に耳をかさず、石がものをいったという怪事を軽視して、豪華な宮殿を完成させた。が、そのことから晋の君主の権威はめだっておとろえるようになった。(『春秋の色宮城谷昌光
「このような略奪行為が民主主義の名においておこなわれ、これらの行為をするソ連が民主主義者であると称するならば、私は民主主義者を放棄する」(菅季治)
(『内なるシベリア抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史多田茂治

シベリア抑留強制収容所
 人が革命家になるのは決して容易ではないが、必ずしも不可能ではない。しかし、革命家であり続けることは、歴史の上に革命家として現れながらも暴君として消えた多くの例に徴するまでもなく、きわめて困難なことであり、さらにいえば革命家として純粋に死ぬことはよりいっそう困難なことである。(『チェ・ゲバラ伝三好徹

ゲバラ
 高山病は何世紀も前から知られていた。昔の人にとっては謎の病気であり、神の住む場所だから人間は気が狂うのだとか、山の植物が毒を発散しているせいだとか考えられていた。(『人間はどこまで耐えられるのかフランセス・アッシュクロフト:矢羽野薫訳)

宗教
 これらの実験は、IDS(※赤ちゃんことば)では“メロディがメッセージである”こと、つまり、韻律だけで話者の意図をくみ取れることを示している。そのメッセージがなんであれ、子どもにとっては良いものであるらしい。(『歌うネアンデルタール 音楽と言語から見るヒトの進化スティーヴン・ミズン:熊谷淳子訳)